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さや
「さや〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
さやの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
いだ、はにかみ屋の田舎娘たちはおずおずしてうしろのほうにかくれ、彼のすぐれた上品
さや応対ぶりを羨しがっていたのである。 なかば巡回旅行のような生活をしていたの....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
いて一八〇二年に生れた。 一七九六年にミュースに移ったが、これは車屋の二階のさ
さやかな借間であった。一八〇九年にはウエーマウス町に移り、その翌年にジェームスは....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
求めるような大きな破綻は、一つとして述べられていない。かえってこの手記は人生のさ
さやかな悲惨事の緩慢な連続、希望というものの消え失せてしまった孤独な生活の最後に....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
ん。髪長彦さん。私《わたし》は生駒山の駒姫《こまひめ》です。」と、やさしい囁《さ
さや》きが聞えました。
それと同時にまた笠置山《かさぎやま》の方からも、さっと....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
橋《さんばし》に、岸の青蘆《あおあし》に、猪牙船《ちょきぶね》の船腹にものういさ
さやきをくり返していたのである。
ことにこの水の音をなつかしく聞くことのできる....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
い。勝つか、それともまた負けるか、――」
するとその時彼の耳に、こう云う囁《さ
さや》きを送るものがあった。
「負けですよ!」
オルガンティノは気味悪そうに、....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
続いた後《のち》、お蓮がこう問い直すと、声はやっと彼女の耳に、懐しい名前を囁《さ
さや》いてくれた。
「金《きん》――金さん。金さん。」
「ほんとうかい? ほんと....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
折から通りかかった了哲をよびとめて、そっと顋《あご》で斉広の方を教えながら囁《さ
さや》いた。
「また金無垢になったじゃねえか。」
了哲はそれを聞くと、呆《あき....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
彼等は静かに行長のいる翠金の帳へ近づこうとした。すると行長の宝剣はおのずから鞘《
さや》を離れるが早いか、ちょうど翼《つばさ》の生えたように金将軍《きんしょうぐん....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
考えろ。」
馬琴はややもすれば走りそうな筆をいましめながら、何度もこう自分にさ
さやいた。が、頭の中にはもうさっきの星を砕いたようなものが、川よりも早く流れてい....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
。「渡《わたる》を殺そうではないか。」――己があの女の耳に口をつけて、こう囁《さ
さや》いた時の事を考えると、我ながら気が違っていたのかとさえ疑われる。しかし己は....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
っては居らぬ、誤って居《い》ると思うのは数馬に依怙《えこ》のあるためだぞと囁《さ
さや》くものがあるのでございまする。………」
「それからいかが致した?」
治修....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
私どもは、云わず語らず両方から沙門《しゃもん》の小屋を取囲んで、そっと太刀の鞘《
さや》を払いました。が、私は初めからどうも妙な気おくれが致していたからでございま....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
に僕等を見上げ、半ばは妻に話しかけたりした。成程一本のマッチの火は海松《みる》ふ
さや心太艸《てんぐさ》の散らかった中にさまざまの貝殻を照らし出していた。O君はそ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
煽り立てた。が、彼にはその風が、彼の耳元を流れる度に、こう云う言葉を細々と囁《さ
さや》いて行くように思われた。
「素戔嗚《すさのお》よ。お前は何を探しているのだ....