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さ身
「さ身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
さ身の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬の日」より 著者:梶井基次郎
てしまい、霜に美しく灼《や》けた桜の最後の葉がなくなり、欅《けやき》が風にかさか
さ身を震わすごとに隠れていた風景の部分が現われて来た。 もう暁刻の百舌鳥《もず....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
そういう場合、未成熟《なま》の娘の心身から、利かん気を僅かに絞り出す、病鶏のさ
さ身ほどの肉感的な匂いが、柚木には妙に感覚にこたえて、思わず肺の底へ息を吸わした....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
き進めば進むほど、きっと行き当る人情の外れに垂れている幕である。冷く素気なく寂し
さ身に沁みる幕である。死よりも意識があるだけに、なお寂しい肌触りの幕である。女は....
「縮図」より 著者:徳田秋声
的に流行しはじめた洋装やパーマネントに押されて、昼間の銀座では、時代錯誤の可笑し
さ身すぼらしさをさえ感じさせたこともあったが、明治時代の政権と金権とに、楽々と育....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
が見えない。 これは見えないのが当然であった。七福神の連中と来ては、動作の素早
さ身の軽さ、驚くべきものがあるのであった。で、布袋と大黒だが、投げられ蹴仆された....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
でも宜い……美代吉お前が身請になる事は少しも知らなかったが恐悦だねえ」 美「あれ
さ身請たって、まだ今話があったばかりで決りもしないのに、あんな事を云って」 庄「....
「生活」より 著者:林芙美子
なににこがれて書くうたぞ 一時にひらくうめすもも すももの蒼
さ身にあびて 田舎暮らしのやすらかさ 私はこのうたが好きで、毎日この室生《む....
「旅の旅の旅」より 著者:正岡子規
の不二 三島神社に詣《もう》でて昔し千句の連歌ありしことなど思い出だせば有り難
さ身に入《し》みて神殿の前に跪《ひざまず》きしばし祈念をぞこらしける。 ぬ....