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しょぼしょぼ
「しょぼしょぼ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
しょぼしょぼの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
と言えば、川岸の家で偶然君というものを知ってからちょうど十年目だ――のある日雨の
しょぼしょぼ思い出すことができなかった。ともかくもと思って私はナイフでがんじょう....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
所にいた帳場だった。今一人は仁右衛門の縁者という川森|爺《じい》さんだった。眼を
しょぼしょぼさせた一徹らしい川森は仁右衛門の姿を見ると、怒ったらしい顔付をしてず....
「海異記」より 著者:泉鏡花
手答えして、槻の大木根こそぎにしたほどな大い艪の奴、のッしりと掻いただがね。雨が
しょぼしょぼと顱巻に染みるばかりで、空だか水だか分らねえ。はあ、昼間見る遠い処の....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
目あり煎餅」勝負事をするものの禁厭になると、一時弘まったものである。――その目を
しょぼしょぼさして、長い顔をその炬燵に据えて、いとせめて親を思出す。千束の寮のや....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
遠来の客、ただ一泊だけもと気あつかいをされようと、遠慮して、道案内を返し、一人、
しょぼしょぼ、濡れて出て、黒島道へかかろうとする、横筋の小川の畝をつたって来て、....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
掛けた。 「そうですな、これでな、十銭下さいまし。」 「どえらい事や。」 と、
しょぼしょぼした目を※った。睨むように顔を視めながら、 「高いがな高いがな――三....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
ように巻いているじゃあないか。薄紅く色がついてその癖筋が通っちゃあいないな。目は
しょぼしょぼして眉が薄い、腰が曲って大儀そうに、船頭が持つ櫂のような握太な、短い....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
も、明いのも、そこいら、……御神燈|並に、絽なり、お召なり単衣に衣更える筈。……
しょぼしょぼ雨で涼しかったが葉月の声を聞く前だった。それに、浅草へ出勤て、お染は....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
、 「そうそうそう、」といって仰向いて、掌で帳面をたたくこと二三度す。 作平も
しょぼしょぼとある目で覗きながら、 「日切の仕事かい。」 「何、急ぐのじゃあねえ....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
まじと鳴きしきる。可愛いもので。……可愛いにつけて、断じて籠には置くまい。秋雨の
しょぼしょぼと降るさみしい日、無事なようにと願い申して、岩殿寺の観音の山へ放した....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
何となく、なつかしく目に映る。何も、燈心の灯影は、夜と限ったわけではありません、
しょぼしょぼ雨の柳の路地の窓際でもよし、夕顔のまばら垣に、蚊遣が添っても構いはし....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
は、真にあわれに悲しき別れであった。互に手を取って後来を語ることも出来ず、小雨の
しょぼしょぼ降る渡場に、泣きの涙も人目を憚《はばか》り、一言の詞《ことば》もかわ....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
たしも、なんだか、列車にのって安心したせいか、急に睡くなって、ほらこのとおり眼が
しょぼしょぼなのよ。ほほほほ」 なるほど、アンの眼は睡そうであった。仏は、見れ....
「獄中記」より 著者:大杉栄
でもないが両眼ともよく見えなかったらしい。高い眉の下にひどく窪んだ細い眼をいつも
しょぼしょぼさせていた。この男は僕がいる間に一度ちょっと出てまたすぐはいって来た....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
の後しばらくして出て行ったらしかった。 この家の裏は広い田圃だった。そして雨の
しょぼしょぼと降る晩には、遠くの向うの方に、狐の嫁入りというのが見えた。 提灯....