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すすり泣き
「すすり泣き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
すすり泣きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
なった場所に生えている大きな木のあたりで、葬式の行列が見えたとか、哀悼の叫びや、
すすり泣きの声が聞えたとかいう陰気な話がいろいろ出た。じっさい、その大木はこの近....
「或る女」より 著者:有島武郎
も立てよとつかみながら、しばらく歯をくいしばって震えているうちに、それがだんだん
すすり泣きに変わって行って、しまいににはさめざめと声を立てて泣きはじめた。そして....
「或る女」より 著者:有島武郎
すぐに葉子の涙を誘い出した。ヒステリーのように間歇的《かんけつてき》にひき起こる
すすり泣きの声をかみしめてもかみしめてもとめる事ができなかった。葉子はそうしたま....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
|艘の船! それを見ると何かが君の胸をどきんと下からつき上げて来た。君は思わず
すすり泣きでもしたいような心持ちになった。何はさておいても君たちはその船を目がけ....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
がその若い心を襲った。 「私のために祈って下さい」 クララは炬火を持った四人に
すすり泣きながら歎願した。四人はクララを中央に置いて黙ったままうずくまった。 ....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
。おにいさまはいもうとをみつけてくれました。いもうとはうれしまぎれに声をあげて、
すすり泣きました。そのくせ、心のなかでは、もうほどなく夜になれば、この世のみおさ....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
んな腹いせでも旦那にさせて、私ゃ、あやまって出て行かない。」 と歯をくいしめて
すすり泣きつ。 お貞は幾年来独り思い、独り悩みて、鬱積せる胸中の煩悶の、その一....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
凄い、早やそこへ、と思って寝衣の襟を掻合せると、その目当の閨で、――確に女の――
すすり泣きする声がしました。……ひそひそと泣いているんですね。」 ....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
たら、落ち込むようなことも無かったろうにと悔やまれる。梅子も民子もただ見回しては
すすり泣きする。沈黙した三人はしばらく恨めしき池を見やって立ってた。空は曇って風....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
を飜して降り口へ出る、母はあとからすがりつく、お千代も泣きつく。おとよは隣座敷に
すすり泣きしている。薊はちょっと中戻りしたが、 「帰りがけに今一言いっておく。親....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
さい。帆村さん。あたくしが、そんな人間に見えまして、ざんねんですわ」 房枝は、
すすり泣きをはじめた。しかし帆村は、一向動じないかたい表情で、 「だから、バラオ....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
か」 お光は崩れかかった島田をぐらつかせながら頭《かぶり》を振った。彼女はまだ
すすり泣きの声をやめなかった。 「わたしは稽古に出る先きだ。早く訳を言ってくれ」....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
いっても鼻のさきで、ふたりの話し声はよく聞き取れます。叔母は小声で何か言いながら
すすり泣きをしているようです。母も溜息をついているようです。どう考えても唯事では....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
不思議に思った。恥かしいのか、悲しいのか、少女は身をすくめ、身をふるわせて、ただ
すすり泣きをしているばかりであるのを、夫婦がいろいろになだめすかして詮議すると、....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
けた。 「あなた、どうしたんです。心持でも悪いんですか。」 女は返事もしないで
すすり泣きをしていた。 「え、どうしたんです。訳をお話しなさい。あなたは一体どう....