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たま
「たま〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
たまの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ばん静かな場所である。小川が滑るように流れそのせせらぎは人を眠りにいざない、とき
たま鶉が鳴いたり、啄木鳥の木を叩く音が聞えるが、あたりに漲ぎる静寂を破る響はそれ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
らで、入場料は一シリング(五十銭)というのであった。 これを見ると、聴きたくて
たまらなくなった。まず主人リボーの許可を得、それから鍛冶職をしておった兄さんのロ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
まで来りしが、この曲りの三股原に至り、またつとめて勇気を振い起し大願成就なさしめ
たまえと明神の祠を遙拝して、末|覚束なき旅に上りぬ。路用として六円余、また東京へ....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
家達の間に、サンザン首をひねらしたものである。 それから半歳も過ぎた頃、筆者は
たまたま郷里博多へ帰っていた。旅行好きの次兵衛がひょっこり旅から帰って来て、「お....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
も、山で炭を焼いている時でも、太郎右衛門は、子供のことを思い出すと、愉快で愉快で
たまりませんでした。「早く仕事を終えて子供の顔を見たいもんだ。」と心の中で思いな....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
の部屋だった。ドアを開けてみると借家人の某氏は、われと我が生命を断った拳銃を握っ
たまま全身あけに染って打倒れていた。 某氏(五七)はかなり楽な生活をしていた人....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
夜が明けるまで馳け※った。――女房はまた女房で、戸口の石のうえにべッたり腰をつい
たまま、朝になるまで、おいおい泣いていた。 子供はとうとう見つからなかった。 ....
「狂女」より 著者:秋田滋
なっていたのだろうか。 十五年という永い年月の間、彼女はこうして一間にとじ籠っ
たまま、じッと動かなかった。 戦争が始まった。十二月のこえを聞くと、この町にも....
「墓」より 著者:秋田滋
る小さなほったて小屋に寐起きをしている墓番は、台所のなかへ入れておいた飼犬がけた
たましく吠えだしたので、その声に夢を破られた。 すぐに寐床を降りていってみると....
「初雪」より 著者:秋田滋
うすれば壁も乾くでしょうし、ほんとうに、あたし、朝から晩まで、一時だって体があっ
たまったことがありゃアしないんですのよ」 良人は、自分の邸に煖房を据えつけよう....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
又台所で居睡りか何かしていたんだろう?」 恵蓮はいくら叱られても、じっと俯向い
たまま黙っていました。 「よくお聞きよ。今夜は久しぶりにアグニの神へ、御伺いを立....
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
会人らしい紳士である。少年の顔に往来する失望や当惑に満ちた表情。紳士は少年を残し
たまま、さっさと向うへ行ってしまう。少年は遠い雷門《かみなりもん》を後ろにぼんや....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
ながら、この勝負があった後《のち》は、甚《はなはだ》不興気《ふきょうげ》な顔をし
たまま、一言《いちごん》も彼を犒《ねぎら》わなかった。
甚太夫の負けざまは、間....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
雄《おおいしくらのすけよしかつ》は、その障子を後《うしろ》にして、端然と膝を重ね
たまま、さっきから書見に余念がない。書物は恐らく、細川家の家臣の一人が借してくれ....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
たね。これは人生の象徴だ。我々は皆同じように実生活の木馬に乗せられているから、時
たま『幸福』にめぐり遇っても、掴《つか》まえない内にすれ違ってしまう。もし『幸福....