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ため息
「ため息〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ため息の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
、彼は火の気のうすくなった火鉢に手をかざすと、伝右衛門の眼をさけて、情なさそうに
ため息をした。
――――――――――――――――――――――――....
「影」より 著者:芥川竜之介
た視線にも明かであった。
苦しい何秒かが過ぎた後、戸の向うからはかすかながら、
ため息をつく声が聞えて来た。と思うとすぐに寝台《しんだい》の上へも、誰かが静に上....
「河童」より 著者:芥川竜之介
の河童といっしょに晩餐《ばんさん》のテエブルに向かっているのです。するとトックは
ため息をしながら、突然こう僕に話しかけました。
「僕は超人的恋愛家だと思っている....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
自分が知らなかったと云う事は、何と云うまた不思議な事であろう。何小二は思わず長い
ため息をついた。
この時、彼の眼と空との中には、赤い筋のある軍帽をかぶった日本....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
は誰も彼も、皆高平太と同様なのじゃ。が、康頼の腹を立てるのが好《よ》いか、少将の
ため息をするのが好いか、どちらが好いかはおれにもわからぬ。」
「成経《なりつね》....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
す》の背《せ》に靠《もた》れたまま、ゆっくり周囲を眺め廻した。それから、――急に
ため息を洩らした。
室の壁にはどこを見ても、西洋の画《え》の複製らしい、写真版....
「白」より 著者:芥川竜之介
楽そうにひらひら飛んでいます。
「ああ、きょうから宿無し犬になるのか?」
白は
ため息を洩《も》らしたまま、しばらくはただ電柱の下にぼんやり空を眺めていました。....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
。この足弱の一群からは、「思兼尊《おもいかねのみこと》、思兼尊。」と云う言葉が、
ため息と一しょに溢《あふ》れて来た。と同時に胸も露《あら》わな、夜目にも美しい娘....
「早春」より 著者:芥川竜之介
《てんじょう》へ蹴上《けあ》げたりした。……
腕時計は二時十五分である。中村は
ため息を洩《も》らしながら、爬虫類《はちゅうるい》の標本室《ひょうほんしつ》へ引....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
子春は漸く安心して、額の冷汗を拭いながら、又岩の上に坐り直しました。 が、その
ため息がまだ消えない内に、今度は彼の坐っている前へ、金の鎧を着下した、身の丈三丈....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
えるような気さえした。内供は、こう云う時には、鏡を箱へしまいながら、今更のように
ため息をついて、不承不承にまた元の経机《きょうづくえ》へ、観音経《かんのんぎょう....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
に立っていても、王女の眼には見えないはずだ。 王女は噴水の縁へ来ると、悲しそうに
ため息をする。 王女 わたしは何と云う不仕合せなのだろう。もう一週間もたたない内....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
一度大きな眼を仇白く見開いて、「それ、それ、証拠は目のあたりじゃ。おぬしにはあの
ため息が聞えぬかいの。」と、今度は両手を耳へ当てながら、さも一大事らしく囁いたと....
「路上」より 著者:芥川竜之介
て参りました。」
説明が一段落ついた所で、初子はことさら真面目な顔をしながら、
ため息をつくようにこう云った。
「いや、実際厳密な意味では、普通|正気《しょうき....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
ネズさんのところにいた女の人はコルドバという都へゆきましたよ。」 マルコは深い
ため息をつきました。そして 「それでは私はコルドバへゆきます。」 「かわいそうに....