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つゆ
「つゆ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
つゆの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おしの」より 著者:芥川竜之介
ばまだ硝子画《ガラスえ》の窓に日の光の当っている時分であろう。が、今日は梅雨曇《
つゆぐも》りだけに、日の暮の暗さと変りはない。その中にただゴティック風の柱がぼん....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
」
谷村博士はこう云いながら、マロック革の巻煙草入れを出した。
「当年は梅雨《
つゆ》が長いようです。」
「とかく雲行きが悪いんで弱りますな。天候も財界も昨今の....
「白」より 著者:芥川竜之介
》の木の梢《こずえ》に白い月が一輪浮んでいるだけです。白は昔の犬小屋の前に、露《
つゆ》に濡《ぬ》れた体を休めました。それから寂しい月を相手に、こういう独語《ひと....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
畳《たた》んだのを笠の中に入れた。笠も合羽もいつの間《ま》にかしっとりと夜露《よ
つゆ》にしめっていた。すると、――急に便通を感じた。伝吉はやむを得ず藪《やぶ》か....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
んなことを話して笑ったりした。少年らしい顔をしたA中尉もやはり彼等の一人だった。
つゆ空に近い人生はのんびりと育ったA中尉にはほんとうには何もわからなかった。が、....
「もみの木」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ことはないのだよ。」 すると、風も、もみの木にやさしくせっぷんしてくれました。
つゆもはらはらと、しおらしいなみだを、かけてくれました。けれどももみの木には、そ....
「雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
のお話をしただけ。わたしの夢をね。」と、ひるがおはこたえました。 かわいい、ま
つゆきそうは、どんなお話をしたでしょう。 「木と木のあいだに、つなでつるした長い....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
膳に並んで、この猪口《ちょこ》ほどな塗椀《ぬりわん》で、一緒に蜆《しじみ》の汁《
つゆ》を替えた時は、この娘が、練物《ねりもの》のような顔のほかは、着くるんだ花の....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
いましょうな。)
(松本へ行かっしゃる? ああああ本道じゃ、何ね、この間の梅雨《
つゆ》に水が出て、とてつもない川さ出来たでがすよ。)
(まだずっとどこまでもこの....
「河口湖」より 著者:伊藤左千夫
らぬが深いには相違ない。平生見つけた水の色ではない、予はいよいよ現世を遠ざかりつ
つゆくような心持ちになった。 「じいさん、この湖水の水は黒いねー、どうもほかの水....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
パイナップルのかんづめをあけると、たちまち中から輪切りになったパイナップルや、お
つゆがとびだしてきて、宙をにげまわるなどと、いうこともあって、なかなかてこずる。....
「海底都市」より 著者:海野十三
波の中をぐんぐん歩いていった。これが大きなおどろきの序幕《じょまく》だとは露知《
つゆし》らずに……。 長い廊下《ろうか》 「ここが、そうなんです。姉の経営....
「火星探険」より 著者:海野十三
てきたんだよ。まるでパイナップルが生きているとしか思えないんだ。それとね、甘いお
つゆがね、やはり缶から湯気のようにあがってきて、そこら中をふらふら漂《ただよ》う....
「火星兵団」より 著者:海野十三
屋根が霞んでいた。
窓の外に、そのような椿事がひきおこされているとは
つゆ知らず、天文研究所では、蟻田博士と新田先生とが、しきりにむずかしい勉強をやっ....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
あ、僕のとなりの四十九番の席にかけなさい」 太刀川は、汚れきった中国少年に眉一
つゆがめず、やさしくいたわって、座席へつかせてやった。 太刀川は、ダン艇長にた....