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「でも医者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

でも医者の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
こころ」より 著者:夏目漱石
あんなに心配したものを、と私は心のうちで独り異《い》な感じを抱《いだ》いた。 「でも医者はあの時|到底《とても》むずかしいって宣告したじゃありませんか」 「だか....
明暗」より 著者:夏目漱石
をした。 「なに経過次第じゃ、それほど大事を取るにも及ばないんですがね」 それでも医者は、時間と経済に不足のない、どこから見ても余裕のある患者として、津田を取....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
み》はいよいよ強くなって、彼はもう慾にも得《とく》にも我慢が出来なくなった。それでも医者を呼ぶのを嫌って、こっちから医者の家へ行こうと云った。 「それじゃあ私が....
」より 著者:島崎藤村
かり医者にも診て貰いましたがネ。大して悪くもなさそうですが、快くも成らない―なんでも医者の言うには腸から来ている熱なんだそうです。」 こんな話をしながら、二人....
秋日記」より 著者:原民喜
さびしげに笑った。だが、笑う妻の顔には悲痛がピンと漲《みなぎ》っていた。この病院でも医者はつぎつぎに召集されていたし、津軽先生もいつまでも妻をみてくれるとは請合....
旅愁」より 著者:横光利一
。」 と云うとまた医務室へ這入った。雪で自動車の動かぬ弁解も少しあったが、それでも医者は彼と一緒に雪の中を歩いて来てくれた。 家では父の吐物がもう片付けられ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
」 医者には違いないらしいが酔っていることは確かでありました。酔っていてもなんでも医者でありさえすれば、急病人にとっては渡りに舟であります。行きかけた老人は、....
村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
ませぬが、あの子は昔から体が弱く……」 「おっとドッコイそれは大丈夫だ。長庵これでも医者だからな。お種は大事な俺の姪、病気だとでも聞こうものなら、すぐに駆け着け....
田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
まれた小部落のごときは道らしい道も通うて居らず、それで、急病人があって医者を招んでも医者が車で駆けつける訳にゆかないような所さえあるのである。 一村に三四軒位....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
り、洗面器に清水《しみず》を汲《く》んでタオルと一緒に枕もとへそなえて置き、いつでも医者を迎いに出かけられるように甲斐甲斐しく身支度をしはじめた。 黒江氏は、....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
、また医者は自分の本職ではございません、仏道修業が自分の本分でありますからいつまでも医者でもって此府に止まって居ることは出来ませんと言いますと、侍従医長は、仏道....