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ともあれ
「ともあれ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ともあれの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
然と御文を前にひろげたまま、溜息《ためいき》をついていらっしゃいました。が、何は
ともあれ、御眼にかかって、今まで胸にひそめていた想《おもい》のほども申し上げよう....
「星座」より 著者:有島武郎
せいはそれが崇《たた》っているのだと始めて始終が見えきったように思った。
「もっ
ともあれはあれで親切人だから、そのことを根に持つような人柄ではないが、俺は頑固な....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、この年老いた気の弱りに、毎度御意見は申すなれども、姫神、任侠の御気風ましまし、
ともあれ、先んじて、お袖に縋ったものの願い事を、お聞届けの模様がある。一たび取次....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
のはそこに出してあら、)といいずてに伸をして、ふてくされてふいと立った。小間使は
ともあれ半季がわりの下働きは、上の弟子なる勝山さえを知らずして、その浴衣、その帯....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
細は無い。 さて、家を出る時から、拾った場所へ旧の通り差置こうというではなく、
ともあれ、沼の底へ葬り返そうとしたのであるが、いざ、となると汀が浅い、ト白骨は肋....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
ざらぬぞ。三杯飲めば一時じゃ。今の時間で二時間かかる。少い人たち二人の処、向後は
ともあれ、今日ばかりは一杯でなしに、一口|呑んだら直ぐに帰って、意気な親仁になれ....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
んな悲しい事があっても、つらい事があっても、省作の便りを見、まれにも省作に逢うこ
ともあれば、悲しいもつらいも、心の底から消え去るのだから、よそ目に見るほど泣いて....
「転機」より 著者:伊藤野枝
られているのです。」 それは私には全く意外な答えであった。まず世間一般の人達は
ともあれ、一度は、本当に一生懸命にそのために働いた人があるとすれば、今また新しく....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
め、旅宿の窓べにひとり座して昼なおさむざむとした思いをいだく。豪州の南の秋景色は
ともあれいとおしむに足り、黄葉のなかばする庭には菊のひとむらがある。) 九日、....
「迷信解」より 著者:井上円了
て妖怪なることを知るものなれば、ここに迷信の一種として説明する必要はない。それは
ともあれ、この仮怪と真怪とは真実の妖怪とすることができるから、これを合して実怪と....
「作画について」より 著者:上村松園
手が離せず欠席もしたことがありますが、それでもだいぶ永いこと通いました。 勉強
ともあれば博物館にも出掛けて行って、支那絵の古画、絵巻物、ときどきは仏画などをも....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
えつかなかったよ。そうすると、透明になるのも考えものだね」 「もちろん、こまるこ
ともあればいいこともある。けれども新しい生活にふみだしたいじょうは、いやでもやり....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
の看方について根本の立場を異にする私には一々承服する事が出来なかった。が、議論は
ともあれ、初めは微酔気味であったのが段々真剣になって低い沈んだ調子でポツリポツリ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
倉庫の中に入ってみた。 ところが倉庫の中は別になんの変ったところもない。妙なこ
ともあればあるものだと思った。始終を聞いた仲間の者達は、ケリーの間抜さ加減を笑い....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
れ、また江口詩人氏が原稿料(「日章旗」創刊号の)を持ってきてくださったので、何は
ともあれ防空壕へと裏へ御案内し、はいっていただく。この日敵機三編隊計九機位が関東....