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ともに
「ともに〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ともにの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
なことを好む食欲も、またそれを消化する力もなみなみでなかった。しかも、それが両方
ともに彼がこのまじないのかかった地方に住んでからいよいよ旺盛になった。どんな大き....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
て無熱池に放されたるように我身ながら快よく思われて、造化広大の恩人も木も石も金も
ともに燬くるかと疑わるる炎暑の候にまたかくの如く無尽の涼味を貯えて人の取るに任す....
「寡婦」より 著者:秋田滋
女の猟人たちの羅紗服には雨が透っていた。彼らはこうして、毎日夕がたになると、身心
ともに疲れはてて館へ帰って来るのだった。 晩餐をすますと、彼らは、広間に集って....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
に行く通りすがりに、嗅《か》ぐともなく嗅いだ河《かわ》の水のにおいも、今では年と
ともに、親しく思い出されるような気がする。
自分はどうして、こうもあの川を愛す....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
歩、五歩、三歩、――お嬢さんは今目の前に立った。保吉は頭を擡《もた》げたまま、ま
ともにお嬢さんの顔を眺めた。お嬢さんもじっと彼の顔へ落着いた目を注いでいる。二人....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
湿布《しっぷ》を巻いていない、綺麗《きれい》な丸髷《まるまげ》の襟足をこちらへま
ともに露《あらわ》していた。
「そりゃおれだって忘れるもんかな。」
「じゃそうし....
「影」より 著者:芥川竜之介
よりさらに堪えられない事には、今度はその何物かの眼が、窓を後にした房子の顔へ、ま
ともに視線を焼きつけている。
房子は全身の戦慄《せんりつ》と闘いながら、手近の....
「河童」より 著者:芥川竜之介
下《しも》のごとし。(氏名を略す。)
我ら十七名の会員は心霊協会会長ペック氏と
ともに九月十七日午前十時三十分、我らのもっとも信頼するメディアム、ホップ夫人を同....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
節《とうせつ》の歌よみや宗匠くらいにはいくつもりだがね。」
しかし、こう言うと
ともに、彼は急に自分の子供らしい自尊心が恥ずかしく感ぜられた。自分はさっき平吉が....
「校正後に」より 著者:芥川竜之介
○文壇は来るべきなにものかに向かって動きつつある。亡《ほろ》ぶべき者が亡びると
ともに、生まるべき者は必ず生まれそうに思われる。今年は必ず何かある。何かあらずに....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
する。数馬の芸はそのように卑《いや》しいものではございませぬ。どこまでも真《ま》
ともに敵を迎える正道《せいどう》の芸でございまする。わたくしはもう二三年致せば、....
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
一 ある人々
わたしはこの世の中にある人々のあることを知っている。それらの人々は何ごとも直覚すると
ともに解剖してしまう。つまり一本の薔薇《ばら》の花はそれらの人々には美しいととも....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
でございますから、御簾《みす》の内も御簾の外も、水を打ったように声を呑んで、僧俗
ともに誰一人、進んであの沙門の法力を試みようと致すものは見えません。所詮は長尾《....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
公望《こうこうぼう》は、梅道人《ばいどうじん》や黄鶴山樵《こうかくさんしょう》と
ともに、元朝《げんちょう》の画《え》の神手《しんしゅ》である。※南田はこう言いな....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
、今までのおれを失うのと、変わりはない。
沙金を失い、弟を失い、そうしてそれと
ともにおれ自身を失ってしまう。おれはすべてを失う時が来たのかもしれない。……)
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