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「どよめき〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

どよめきの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
から誦経《ずきょう》を止めて、茫然と事の次第を眺めていた僧たちは、俄《にわか》にどよめきを挙げながら、「打ち殺せ」とか「搦《から》め取れ」とかしきりに罵り立てま....
将軍」より 著者:芥川竜之介
者たちの前へ、倉皇《そうこう》とさっきの幕を引いた。同時に蓆敷の看客も、かすかなどよめきの声のほかは、ひっそりと静まり返ってしまった。 外国の従軍武官たちと、....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ちの近くへ落ちて、銀粉のような砂煙を揚げた。 大勢の若者たちはまた以前のようにどよめき立った。が、その声がまだ消えない内に、もうあの猪首の若者は、さらに勝敗を....
或る女」より 著者:有島武郎
がれる事になった。この稀有《けう》の大《おお》げさな広告がまた小さな仙台の市中をどよめき渡らした。しかし木村の熱心も口弁も葉子の名を広告の中に入れる事はできなか....
燕と王子」より 著者:有島武郎
した。家々の窓からは花輪や国旗やリボンやが風にひるがえって愉快な音楽の声で町中がどよめきわたります。燕はちょこなんと王子の肩にすわって、今馬車が来たとか今小児が....
」より 著者:池谷信三郎
るさを感じさせた。彼女は今、自分が残してきた巷の上に、どんよりと感じられる都会のどよめきへ、ほのかな意識を移していた。 だが、彼女の気持に変化を与え、彼女を憂....
高野聖」より 著者:泉鏡花
る音がした、更《さら》に寝返る音がした。 戸の外のものの気勢《けはい》は動揺《どよめき》を造るがごとく、ぐらぐらと家が揺《ゆらめ》いた。 私《わし》は陀羅尼....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
底から湧き起るような遠いとどろきと雪解の黒い山肌とは、何かしらじっとしておれないどよめきを感じさせずにいなかった。 人々は炉辺から起ち上る。そして真っ先に冬季....
火薬船」より 著者:海野十三
わった。 倉庫裏のせまい路地を、彼は鼠のようにかけまわりもした。雑草園の饗宴のどよめきに気がついて、ふるまい酒にさわいでいる仲仕や船員たちの間をかきわけて、ハ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ふ、ふ」 「ほッほッほ」 それに釣りこまれて、一座は花畑のように笑いころげた。どよめきが、やっと鎮まりかけたとき、 「それにしても、弦三は大変遅いじゃないか。....
かの女の朝」より 著者:岡本かの子
方を邸内に採っている。その邸内の何町四方は一ぱいの樹海だ。緑の波が澎湃として風にどよめき、太陽に輝やき立っているのである。ベルリンでは市民衛生の為め市中に広大な....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
壇の現象としてはかなり唐突だったので、文人諸家は驚異に近く瞠目したし、読者側ではどよめき立って好奇心を動かし続けた。なかで麻川氏の戯画化に使われた材料は麻川氏近....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ふうのおおいのある門のうちに乗り入れました。わたしたちがはいると、城のなかは急にどよめきました。松明をかかげた家来どもが各方面から出て来まして、その松明の火はあ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
廊下の壁燈が仄のりと一つ点いているだけ、広間も周囲の室も真暗である。その喧囂たるどよめきの中で、法水は、暗中の彩塵を追いながら黙考に沈みはじめた。そこへ、検事が....
ジャズ狂時代」より 著者:小野佐世男
彗星の如く現れたジャズ・シンガー、曲は彼女が幸運を引き当てた「想い出のワルツ」、どよめきと共に次の幕が切って落され、ジャズのナンバーワンと絶讃をあびている、ジョ....