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どら猫
「どら猫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
どら猫の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
えい――御用でござりましたか」 「その辺の原っぱにでも参らば、どこぞに、野良犬か
どら猫がいるであろう。御馳走してつかわす品があるゆえ、早速|曳《ひ》いて参れ」 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れて、のけ反《ぞ》っているのを見向きもしない子供たちは、 おんどら、どら、どら
どら猫さん、きじ猫さん お前とわたしと駈落《かけおち》しよ 吉原|田圃《たんぼ》....
「秋毛」より 著者:宮本百合子
かりが生きて居る様な――何だか先《す》ぐ物にでも飛び掛りそうに見える。 弟が「
どら猫」の眼の様だと笑った。 ほんとうに此頃は「
どら猫」の生活をして居る。 ....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
を出してやろうとすると、驚くべきことには、美事なシャム猫の姿は見えず、汚い灰色の
どら猫が、のっそりとはい出して来た。 全く腑に落ちない事件だった。空色の籠はま....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
宴を夜|晩くまで続けるのだった。そして、夜がすっかり明け放れてから、カートンが、
どら猫か何かのように、こそこそとひょろひょろと自分の下宿へ帰ってゆくのが見られる....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
った。文次は二度びっくりした。その声であるが顔や姿とは似も似つかない。これはまた
どら猫を金盥《かなだらい》へたたきつけたような、恐ろしいじゃじゃら声なのだ。 「....
「岡ふぐ談」より 著者:佐藤垢石
、わが輩の家と隣家との境をなす竹垣の破れ目が、猫の通路であることを先年発見した。
どら猫も、きじ猫も、三毛も、ぶちも、虎毛も、黒も、灰色猫も、どれもこれもこの破れ....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
寝室には、ついぞ猫なんかいたためしはなかったのにさ。よりによってええ畜生、とんだ
どら猫が舞いこんだものだよ!』そう思って、またも片手で猫をつかまえようとするが、....
「どら猫観察記」より 著者:柳田国男
しく遊んで居た頃、番頭が何処かのおばあさんに話して居るのを聴くと、此宿の地下室は
どら猫の多く居るので有名だそうである。妙な事を看板にしたもので、ホテルで呉れる小....