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はるか
「はるか〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
はるかの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
》。
2
雷門《かみなりもん》から縦に見た仲店。正面に
はるかに仁王門が見える。樹木は皆枯れ木ばかり。
3
仲....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
つづく葉柳《はやなぎ》と家々との間に、かすかなせせらぎの音を立てている。その川の
はるか下に、黒いものが二つ三つ、鵜《う》の鳥かと思うように、流れの光を乱している....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
植えた木犀《もくせい》は、まだその甘い匂いが衰えない。そこへ例の鳶《とび》の声が
はるかな青空の向うから、時々笛を吹くように落ちて来た。
彼は、この自然と対照さ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
も、やはり純粋なものじゃなかったのだ。勿論この第二の打撃は、第一のそれよりも遥《
はるか》に恐しい力を以て、あらゆる僕の理想を粉砕した。が、それと同時にまた、僕の....
「河童」より 著者:芥川竜之介
う漁夫《りょうし》も尋ねてきました。河童は我々人間が河童のことを知っているよりも
はるかに人間のことを知っています。それは我々人間が河童を捕獲することよりもずっと....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
たに黙って置くと、だんだん作品が悪くなりそうです。今までも中途で切った方が、遥《
はるか》に好かったと思いますが、――とにかくこの小品《しょうひん》は貰いますから....
「葱」より 著者:芥川竜之介
のち》も、ついにお君さんには気がつかなかったらしい。すると窓から流れこんだ春風《
はるかぜ》が、その一枚のレタア・ペエパアを飜《ひるがえ》して、鬱金木綿《うこんも....
「女体」より 著者:芥川竜之介
っこういろ》の光沢を帯びて、どこの山脈にも見られない、美しい弓なりの曲線を、遥《
はるか》な天際に描《えが》いている。……
楊《よう》は驚嘆の眼を見開いて、この....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
狭い所を彼よりも楽に飛び越えた、背《せい》の高い美貌《びぼう》の若者の方が、遥《
はるか》に人気があるらしかった。その若者は彼と同じ市松の倭衣《しずり》を着ていた....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
の※を話しつづけたトルストイの心ほど傷ましいものはない。彼の※は余人の真実よりも
はるかに紅血を滴らしている。
二つの悲劇
ストリントベリイの生涯の悲....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
》の足跡《あしあと》さえかすかに見えるほど明るかった。しかし海だけは見渡す限り、
はるかに弧《こ》を描《えが》いた浪打ち際に一すじの水沫《みなわ》を残したまま、一....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
全に勝利をうばいとったような気がしたのだ。たしかに彼の声はほかの会衆一同の声より
はるかに高らかに鳴りひびいた。そして、今でもその教会のなかでは妙にふるえる音が聞....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
然とあたりに迫っていた。夕靄が烟るように野末にたち罩め、ものの輪廓が、ほの暗い、
はるか遠方にあるように見えた。道ばたに三本立っている見あげるような樅の木までが、....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
なさけあるひとのふところによくそだて。よばぬうちに、なのりいづるな、ときくれば、
はるかぜふかん。」 この平仮名を読むために、夫婦は一晩費してしまいました。太郎右....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
の見える横町のことも思い出したのである。そこは僕の住んでいた元町通りに比べると、
はるかに人通りも少ければ「しもた家」も殆ど門並みだった。「椎の木松浦」のあった昔....