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ぱらぱら
「ぱらぱら〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ぱらぱらの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
「焼きねえ、昨日も刺身だったから……」 と腰を入れると腕の冴、颯と吹いて、鱗が
ぱらぱら。 「ついでに少々お焼きなさいますなぞもまた、へへへへへ、お宜しゅうござ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
のであろう――抜群にこの魍魎が偉大いから、それがこの広座敷の主人のようで、月影が
ぱらぱらと鱗のごとく樹の間を落ちた、広縁の敷居際に相対した旅僧の姿などは、硝子障....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
七の不動尊の縁日で、月六斎。かしらの二日は大粒の雨が、ちょうど夜店の出盛る頃に、
ぱらぱら生暖い風に吹きつけたために――その癖すぐに晴れたけれども――丸潰れとなっ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
して、掌に据え直し、載せるために差して来たか、今まで風も入れなんだ扇子を抜いて、
ぱらぱらと開くと、恭しく要を向うざまに畳の上に押出して、 「軽少でございますが、....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
れど、蔽われ果てず夕舂日、光|颯と射したれば、お夏は翳した袖几帳。 「ちょうど、
ぱらぱらと散って来るのが、その夕日を除けた、袂へ留まったのですがね。余りに綺麗だ....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
目に浮彫した、孔雀の尾に玉を刻んで、緑青に錆びたのがなお厳に美しい、その翼を――
ぱらぱらとたたいて、ちらちらと床にこぼれかかる……と宙で、黄金の巻柱の光をうけて....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
退けないで、 「お見せ申しましょうかね。」 あどけない状で笑いながら、持直して
ぱらぱらと男の帯のあたりへ開く。手帳の枚頁は、この人の手にあたかも蝶の翼を重ねた....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
しても、唄いましても構いません。――ただ、風が騒ぐと下可ませんわ。……餌の露が、
ぱらぱらこぼれてしまいますから。ああ、釣れました。 薄 お見事。 と云う時、女郎....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
濁って、二葉三葉折れながら葉ばかりの菖蒲の伸びた蔭は、どんよりと白い。木の葉も、
ぱらぱらと散り浮いて、ぬらぬらと蓴菜の蔓が、水筋を這い廻る――空は、と見ると、覆....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
に長く靡いて、房々と重って、その茂ったのが底まで澄んで、透通って、軟な細い葉に、
ぱらぱらと露を丸く吸ったのが水の中に映るのですが――浮いて通るその緋色の山椿が…....
「露肆」より 著者:泉鏡花
ても、二銭とウ三銭とは右から左イ……」 と賽の目に切った紙片を、膝にも敷物にも
ぱらぱらと夜風に散らして、縞の筒袖|凜々しいのを衝と張って、菜切庖丁に金剛砂の花....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
」 という声がする。 「追え、追え。」 「娑婆へ出た。」 と口々に、式台へ、
ぱらぱらと女たち。 門|外へ足がのびた。 「手桶では持重りがして手間を取る、椀....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
生憎諸方から赤い尾を曳いて光弾があがり、花火の様にぱッと弾けたかと思う間ものう、
ぱらぱらと速射砲の弾雨を浴びせかけられた。それからていうもの、君、敵塁の方から速....
「縮図帖」より 著者:上村松園
。 先日も家の前の通りから出火して、画室の障子が真赤になり、火の粉が屋根の上へ
ぱらぱらと降りかかって来た。風向きも怪しかったし、 「こりゃ駄目かな」と思った。....
「母への追慕」より 著者:上村松園
私はその匂いを嗅ぎながらふたたびうとうとと睡りにおちたものである。 ぱらばら、
ぱらぱらと、しめったお茶を焙じている音を、何か木の葉でも降る音にききながら…… ....