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ひと言
「ひと言〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ひと言の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
とも子 私……恥ずかしいわ。 瀬古 おまえの無邪気さでやっちまいたまえ。なに、
ひと言、誰っていってしまえば、それだけのことだよ。 とも子 じゃ一生懸命で勇気を....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いちめんかっと赤くほてって、ただひとしずくの血のしたたりのようになりました。もう
ひと言もものがいえなくなりました。まあ、この王女は、おとうさんのなくなった晩、ヨ....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
心でした。それにくらべては、からだの痛みなどはまるでかんじないくらいでした。ただ
ひと言、ことばを口にだしても、おにいさまたちの命にかかわることでしたから、くちび....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
は、随分久しい間の私の願いでございました。――今この願いが果たされますので、私も
ひと言書き添えずにはいられないのでございます。――それはあなたの御記憶の中へ私自....
「家庭愛増進術」より 著者:岡本かの子
す。そして対者につつしんであやまります。) うやうやしき礼の八千度さかしらのわが
ひと言はゆるし賜ぶべし。 * 子供に対しての事も一寸お聞きになっ....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
持ちはもうようおすかえ」と、浮橋は摺り寄って彼女の蒼ざめた顔を覗くと、八橋はただ
ひと言いった。 「浮橋さん。くやしゅうおざんす」 彼女は張りつめた胸をせつなそ....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
の日、裁縫のお師匠さんのところで、わたくしが間違ってお由の鋏を使ったというので、
ひと言ふた言いい合いました。もとより根も葉もないことで、そのままに済んでしまった....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
らぶらぶら行きますと、真っ先に駈けて行った半兵衛はそのうしろから掴まえて、なにか
ひと言ふた言いっていたかと思ううちに、どうしたのかよく判りませんが、半兵衛はその....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
してもらいたいと切願すると、彼女はわたしの口から眼へかけて鞭で打った。そうして、
ひと言ふた言の別れの言葉を残したままで行ってしまった。 その別れの言葉――私は....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ただ胸がいっぱいになって、彼女と語りたい、自分の言うことを彼女が聞いてくれるか、
ひと言でいいから返事を聴きたい。彼はもうたまらなくなって、かねて準備した仕事にあ....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
再び皺めて、しばらくは空《くう》をにらんでいた。そうして、呻《うめ》くようにただ
ひと言いった。 「不思議じゃのう」 それは藻が屋形の四足門を送り出された頃であ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ると思ったのであるが、女にかみ切られた小指が証拠になって、左小指をまいている彼は
ひと言の云い解きも出来ずに縄をうけた。 「とんだお景物だ」と、七兵衛は思った。し....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、きょうは白い袴をはいていた。万事の応対はすべて式部が引き受けているので、かれは
ひと言も口を利かなかった。 「して、御祈祷をおたのみでござるか」と、式部は訊いた....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
して、それを持ったままで何処へか出て行ってしまいました。お角は始めから仕舞いまで
ひと言も口を利かないで、ただ先生を睨んでいるばかりでした。お角が出て行ったあとで....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
出したことを知った時に、お勝は枕をつかんで泣いた。 「口惜《くや》しい」 その
ひと言に深い意味のこもっていることは、母のお富にもよく察せられたが、まだ確かな証....