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ひび
「ひび〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ひびの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
声はあたりの日曜日のような静けさを破り、こだまとなって尾をひき、怒ったように鳴り
ひびくのだった。世の中の騒がしさから逃れ、わずらわしいことばかり多かった人生の余....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
同じ学校の寄宿舎にいた、我々六人の中年者《ちゅうねんもの》である。場所は日比谷《
ひびや》の陶陶亭《とうとうてい》の二階、時は六月のある雨の夜、――勿論《もちろん....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
劣らないような、立派な犬をくれてやろう。」と言ったと思うと、もう口笛の声が森中に
ひびき渡って、一匹の斑犬《ぶちいぬ》が牙《きば》をむき出しながら、駈けて来ました....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
光る大川の水は、その、冷やかな潮のにおいとともに、昔ながら南へ流れる、なつかしい
ひびきをつたえてくれるだろう。ああ、その水の声のなつかしさ、つぶやくように、すね....
「影」より 著者:芥川竜之介
計の針を見ると、半ば機械的にベルの鈕《ボタン》を押した。
書記の今西はその響《
ひびき》に応じて、心もち明《あ》けた戸の後から、痩《や》せた半身をさし延ばした。....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
脂臭《あぶらくさ》い焼パンを齧《かじ》っていた。彼のテエブルの前にあるのは亀裂《
ひび》の入った白壁《しらかべ》だった。そこにはまた斜《はす》かいに、「ホット(あ....
「老年」より 著者:芥川竜之介
い実をうずめる雪の音、雪の上にふる雪の音、八つ手の葉をすべる雪の音が、ミシン針の
ひびくようにかすかな囁きをかわすばかり、話し声はその中をしのびやかにつづくのであ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
を送っていたのでございました。』 『こんな冷たい妻の心が、何でいつまで良人の胸に
ひびかぬ筈がございましょう。ヤケ気味になった良人はいつしか一人の側室を置くことに....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
かあさんが病気だから手術を受けるのだといいました。 と不意に女の叫び声が家中に
ひびきました。 マルコはびっくりして「おかあさんが死んだ。」と叫びました。 ....
「或る女」より 著者:有島武郎
らぬらと目の前に浮き出て来るようでもあった。塗りつぶし塗りつぶししていた心の壁に
ひびが入って、そこから面《おもて》も向けられない白い光がちらとさすようにも思った....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ように指先に粘りつく事は珍しくない。けれども日が高くなると、さすがにどこか寒さに
ひびのようにおおうていた蓆が取りのけられ、旅烏といっしょに集まって来た漁夫たちが....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ら》をかいて瓶から口うつしにビールを煽《あお》りながら濁歌《だみうた》をこだまに
ひびかせて行った。幾抱えもある椴松は羊歯《しだ》の中から真直に天を突いて、僅《わ....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
なる、ああ、この我れぞ春なる。 寝しずまった町並を、張りのある男声の合唱が鳴り
ひびくと、無頓着な無恥な高笑いがそれに続いた。あの青年たちはもう立止る頃だとクラ....
「星座」より 著者:有島武郎
いことだし、長い間にはそちらが当惑なさるようにでもなると、せっかく今までの交際に
ひびが入ってかえっておもしろくないから、子息さんがそれほどの秀才なら、卒業の上採....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
の音が聞こえて鬼であれ魔であれ、悪い者は一刻もこの楽しい町にいたたまれないように
ひびきわたるそうであります。めでたしめでたし。....