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へら
「へら〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
へらの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
、両手を膝の上にのせたまま、愈《いよいよ》つまらなそうな顔をして、だんだん口数を
へらしながら、ぼんやり火鉢の中を眺めている。
彼は、彼の転換した方面へ会話が進....
「美術曲芸しん粉細工」より 著者:阿部徳蔵
本だけを客に選んで貰ふ。が、もうその時には、全部に同一の花の名を書いた籤とすり替
へられてある。 これで奇術の方の準備がとゝのつたので、術者はしん粉細工にとりか....
「星座」より 著者:有島武郎
計台のちょうど下にあたる処にしつらえられた玄関を出た。そこの石畳は一つ一つが踏み
へらされて古い砥石《といし》のように彎曲《わんきょく》していた。時計のすぐ下には....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
搗いて、カチカチと拍子を取るものが現われた。また、それから少し下っては、落語家の
へらへらの万橘が、一時盛んな人気だった頃に、神田台所町の井戸の傍だったかに、
へら....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
うえに、数しらずころがっている小石をながめました。水がその小石をどれもまるくすり
へらしていました。ガラスでも、鉄くずでも、石でも、そこらにあるものは、王女のやわ....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
枝を蔓を提げるのを、じろじろと流眄して、世に伯楽なし矣、とソレ青天井を向いて、え
へらえ
へらと嘲笑う…… その笑が、日南に居て、蜘蛛の巣の影になるから、鳥が嘴を....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
より前、妻が七つぐらいのときから知っている仲だ。「女房もらえば給料分が助かる」と
へらず口をたたいた私だが、本心はやはり家庭が第一と思っている。家庭をうまく治めら....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
求むる者は福なり、其故如何となれば其人は神の子と称えらるべければ也、「神の子と称
へらるる」とは神の子たる特権に与かる事である、「其の名を信ぜし者には権を賜いて之....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
びりとしていたほうがいい」 「だって、こんなふしぎな目、おそろしい目にあって、え
へらえ
へらと笑ってもいられないですよ」 「とりこし苦労はよくないのさ。ぶつかった....
「怪塔王」より 著者:海野十三
から、大きな声で怪塔王をどなりつけました。 「なにをいうんだ。捕虜のくせに、口の
へらない生意気なやつだ」 と怪塔王は、ついに腹をたてたようでありました。 「ま....
「火薬船」より 著者:海野十三
火のついた煙草を喰って、やけどをしたんだろう。ふふふふ、いい気味だ」 竹見は、
へらず口をたたいて大いに、わらった。 だが相手の船員たちは、真剣なかおで同僚の....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
たてて崩れた。 「ほう、なかなか景気をそえているじゃないか」 と、パイ軍曹が、
へらず口を叩けば、 「わしは、子供のときから、賑かな方が好きです。讃美歌なんかに....
「一坪館」より 著者:海野十三
笑わせやがらあ」 「誰がそんなものを買うものか」 「そうだ、そうだ。今みんな腹を
へらしているんだ。食いものなら買うが、花なんぞ、誰が買っていくものか。この坊や、....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
ら)これは犯行に関係のあるものなんです。ごらんなさい、この鋲の頭は非常に薄く擦り
へらされています。これは故意にそうなされたもので、この鋲の頭に小さい穴があいてい....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
ょうよと言ってカラカラと笑っていた。しかし例の爪は見てもゾッとするほどひどく噛み
へらされてしまった。※とかの人達はだまっている訳にも行くまい。いずれいろいろ喧し....