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ぼろぼろ
「ぼろぼろ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ぼろぼろの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
、――いや、帽子をかぶらぬばかりではない。男は確かに砂埃《すなほこ》りにまみれた
ぼろぼろの上衣《うわぎ》を着用している。常子はこの男の姿にほとんど恐怖に近いもの....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
カチュアを見たかったからである。わたしはよく承知している。銃を抱いたロビンソンは
ぼろぼろのズボンの膝をかかえながら、いつも猿を眺めてはもの凄い微笑を浮かべていた....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
奥さんを見ました。そしてありったけの力を出して頭をあげました。 その時でした、
ぼろぼろの服をきてほこりだらけになったマルコが入口に立ったのでした。 女はびっ....
「或る女」より 著者:有島武郎
子は没義道《もぎどう》に手を引っ込めた。倉地をにらみつける目からは熱い大粒の涙が
ぼろぼろとこぼれた。そして、
「あゝ……あ、地獄だ地獄だ」
と心の中で絶望的に....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ればならないという事は心得ていた。彼れは腹がけの丼《どんぶり》の中を探り廻わして
ぼろぼろの紙の塊《かたまり》をつかみ出した。そして筍《たけのこ》の皮を剥《は》ぐ....
「星座」より 著者:有島武郎
みち》に白官舎に投げこんでおいてくれないか」
と何げない風にいいながら、柿江は
ぼろぼろになった自分の袴を脱いで、それに書物包みをくるみ始めた。森村は見向きもせ....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
っているのをみつけました。このいやらしい魔物どもは、水でもあびるしたくのように、
ぼろぼろの着物をぬいでいました。やがて骨ばった指で、あたらしいお墓にながいつめを....
「雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、あなたの目のようにかがやいて、りっぱな、長いかみの毛をもっていましたが、着物は
ぼろぼろにきれていました。」 「それがカイちゃんなのね。ああ、それでは、とうとう....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
「違うでしゅ、翁様。――思わず、きゅうと息を引き、馬蛤の穴を刎飛んで、田打蟹が、
ぼろぼろ打つでしゅ、泡ほどの砂の沫を被って転がって遁げる時、口惜しさに、奴の穿い....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
の燃残りを取って、一人、その月へ投げつけたものがありました。 もろいの、何の、
ぼろぼろと朽木のようにその満月が崩れると、葉末の露と一つになって、棟の勾配を辷り....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
つめて巌の欠を掘取ると見ると、また掻きはじめた。その爪の切入るごとに、巌はもろく
ぼろぼろと欠けて、喰い入り喰い入り、見る内に危く一重の皮を残して、まさに断切れて....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
かれて、さかんにとばされる。ああ、おそろしい」 カロチ教授の大きな目から、涙が
ぼろぼろとおちる。 「もしもし、カロチ教授」 「おお、なんですか」 「あなたには....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
な声だと思ったわ」 「アン、なにもかも、思い出したよ。あの油に汚れたハンカチも、
ぼろぼろの服も、みんなダンケルクの戦闘の中にいたせいだ。おれは、飛行機を操縦して....
「海底都市」より 著者:海野十三
化発達のありさまを一目見た者は、もとの焼跡《やけあと》だらけの、食料不足の、衣料
ぼろぼろの、悪漢《あっかん》だらけの一九四八年の東京なんかに戻りたいと誰も思わな....
「恐竜島」より 著者:海野十三
おそらくかきのいい住家になっているにちがいない。帆はまきおろされているが、すでに
ぼろぼろになって、使いものにはならないだろう」 船は小波の中にしずかに、ゆった....