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ぽっと出
「ぽっと出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ぽっと出の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
い入れた。 奇術が何とか座にかかっているのを見にゆこうかと言っていたのを、峻が
ぽっと出てしまったので騒いでいたのである。 「あ。どうも」と言うと、義兄《あに》....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。三両一人|扶持《ぶち》を出せば、旗本屋敷で立派な侍が召し抱えられる世のなかに、
ぽっと出の若い下女に一年三両の給金を払うというのは、なにか仔細がなければならない....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
政治家と少女との恋のロオマンスについて彼女特得の薔薇色の感傷と熱情とで、あたかも
ぽっと出の田舎ものの老爺に、若い娘がレヴュウをでも案内するようなあんばいで、長々....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りと結びつけることで終る―― その道の本職が幾人も手を合わせてやるべき仕事を、
ぽっと出の幼尼ひとりに任せられるはずのものではない。自然、罪人の望み通りに縛るこ....
「夜寒」より 著者:宮本百合子
「お稲荷さあーん と長く声を引いてあるく「稲荷ずし売」の事を思う。 田舎から
ぽっと出の女中が、銭湯の帰り何か変なものをさげて叱鳴《どな》って歩く男の気違が来....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
さんにおちかづきになって貰えというと、息子の方は、きまりわるいよ、田舎なんかから
ぽっと出た女房。万事そういうちがいがあるの。お嫁さんが来るときっとそういう問答が....
「それから」より 著者:夏目漱石
》が、まだ出来上らないうちに、この黒い、湿《うる》んだ様に暈《ぼか》された眼が、
ぽっと出て来る。 廊下伝いに座敷へ案内された三千代は今代助の前に腰を掛けた。そ....