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ぽつ
「ぽつ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ぽつの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ローの住民も数人ヴァン・タッセルの邸に来ており、例によって、怪しいふしぎな伝説を
ぽつり
ぽつり物語っていた。不遇なアンドレ少佐が捕虜になった場所に生えている大きな....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
、おもむろに山を下《くだ》り出した。
その内に朝焼の火照《ほて》りが消えると、
ぽつぽつ雨が落ちはじめた。彼は一枚の衣《ころも》のほかに、何もまとってはいなかっ....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
来てくれた。
やがて、霊柩車《れいきゅうしゃ》が来る。続いて、一般の会葬者が、
ぽつぽつ来はじめた。休所の方を見ると、人影がだいぶんふえて、その中に小宮《こみや....
「東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
或る夏の暮れ方、本所の一の橋のそばの共同便所へ入つた。その便所を出て見ると、雨が
ぽつ/\降り出してゐた。その時、一の橋とたてがはの川の色とは、そつくり広重だつた....
「路上」より 著者:芥川竜之介
けて行った。
が、そう呟くか呟かない内に、もう一度かすかに雷《らい》が鳴って、
ぽつりと冷たい滴《しずく》が頬に触れた。続いてまた一つ、今度は触るまでもなく、際....
「或る女」より 著者:有島武郎
子の頭の上に張り渡された雨よけの帆布《ほぬの》の端《はし》から余滴《したたり》が
ぽつり
ぽつりと葉子の顔を打つたびに、断続して聞こえて来るように思われた。
「葉子....
「或る女」より 著者:有島武郎
、ハンケチを口にあててきゅっきゅっとふき出してしまった。
三七
天心に近く
ぽつりと一つ白くわき出た雲の色にも形にもそれと知られるようなたけなわな春が、とこ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
。びゅうびゅうと風は吹き募《つの》っていた。赤坊の泣くのに困《こう》じ果てて妻は
ぽつりと淋しそうに玉蜀黍殻《とうきびがら》の雪囲いの影に立っていた。
足場が悪....
「星座」より 著者:有島武郎
りなかった。
けれどもそれまで何んのこだわりもなく続いてきた二人の会話は、妙に
ぽつんと切れてしまった。園は部屋の中がきゅうに明るくなったように思った、おぬいさ....
「赤いくつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
をひっかかれて、血を出してしまいました。カレンはとうとうあれ野を横ぎって、そこに
ぽつんとひとつ立っている、小さな家のほうへ踊っていきました。その家には首切役人が....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
までも、はいっていきました。 かわいそうに、ちいさいエリーザは百姓家のひと間に
ぽつねんとひとりでいて、ほかになにもおもちゃにするものがありませんでしたから、一....
「橋」より 著者:池谷信三郎
のです。建物の輪廓が靄の中に溶けこんで、まるで空との境が解らないのです。すると、
ぽつんと思いがけない高い所に、たった一つ、灯がはいっているのです。あすこの事務室....
「色盲検査表の話」より 著者:石原忍
かったのですが、そのうちにまず北欧スカンジナビア諸国においてその真価が認められ、
ぽつぽつ註文が来るようになり、大正十二年には北欧諸国の船員及び鉄道員の色神検査法....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
い、――荒庭の中を覗いている――絣の筒袖を着た、頭の円い小柄な小僧の十余りなのが
ぽつんと見える。 そいつは、……私だ。 夢中でぽかんとしているから、もう、と....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
寒い。…… 木の葉をこぼれる雫も冷い。……糠雨がまだ降っていようも知れぬ。時々
ぽつりと来るのは――樹立は暗いほどだけれど、その雫ばかりではなさそうで、鎮守の明....