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まま
「まま〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ままの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
のしんでいた。つやつやした、まるまる肥った食用豚は、檻のなかでのんびりと、ほしい
ままに餌を食べながら、ぶうぶういっていた。ときおり、まだ乳ばなれしない小豚の群が....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
キサンドロスのは、雄であり、壮である。しかし、いつの世にでも、日本での発見はその
まま世界の発見であり、詩や歌のごとく、外国語に訳するの要もない。 これらの理由....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
て必ず其所で竊みに逢うものなり」とありたれば、今宵こそ大事なれとその胴巻を締めた
まま臥しながらもなお幾度か目さむる度に探りたり。 翌朝騒がしくまた慌ただしく催....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
部屋だった。ドアを開けてみると借家人の某氏は、われと我が生命を断った拳銃を握った
まま全身あけに染って打倒れていた。 某氏(五七)はかなり楽な生活をしていた人で....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
が明けるまで馳け※った。――女房はまた女房で、戸口の石のうえにべッたり腰をついた
まま、朝になるまで、おいおい泣いていた。 子供はとうとう見つからなかった。 ....
「狂女」より 著者:秋田滋
思想というものが跡形もなく消え失せてしまって、流れぬ水のように、一ところに澱んだ
ままになっていたのだろうか。 十五年という永い年月の間、彼女はこうして一間にと....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
生命の一片。しかも、どこから来たのか、とんと見当がつかぬその生命の一片は、思いの
ままに滅ぼすことが出来るのだ。滅ぼせば、何も無くなってしまう。完全に無くなってし....
「初雪」より 著者:秋田滋
ますわ。あなたは始終出あるいてらっしゃるから、お解りにならないでしょうけど、この
ままじゃ、あたしの体は凍っちまいますわ」 良人は相かわらず笑いながら、答えて云....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
台所で居睡りか何かしていたんだろう?」 恵蓮はいくら叱られても、じっと俯向いた
まま黙っていました。 「よくお聞きよ。今夜は久しぶりにアグニの神へ、御伺いを立て....
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
斜めに見たある玩具屋《おもちゃや》の店。少年はこの店の前に佇《たたず》んだ
まま、綱を上《のぼ》ったり下《お》りたりする玩具の猿を眺めている。玩具屋の店の中....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
がら、この勝負があった後《のち》は、甚《はなはだ》不興気《ふきょうげ》な顔をした
まま、一言《いちごん》も彼を犒《ねぎら》わなかった。
甚太夫の負けざまは、間も....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
《おおいしくらのすけよしかつ》は、その障子を後《うしろ》にして、端然と膝を重ねた
まま、さっきから書見に余念がない。書物は恐らく、細川家の家臣の一人が借してくれた....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
訪問を謝絶《しゃぜつ》するのです。達雄は黙然《もくねん》と唇《くちびる》を噛んだ
まま、ピアノばかり見つめている。妙子は戸の外に佇《たたず》んだなりじっと忍び泣き....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
に御時宜《おじぎ》をしている。それがまたこう及び腰に、白い木馬に跨《またが》った
まま、ネクタイだけ前へぶらさげてね。――」
「嘘をつけ。」
和田もとうとう沈黙....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
そこで木樵《きこり》はすぐ白犬と斑犬《ぶちいぬ》とを、両方の側《わき》にかかえた
まま、黒犬の背中に跨って、大きな声でこう云いつけました。
「飛べ。飛べ。生駒山《....