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む
「む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
》らしい、無精髭《ぶしょうひげ》を伸ばした男。少年は可愛《かわい》いと云うよりも
むしろ可憐な顔をしている。彼等の後《うし》ろには雑沓した仲店。彼等はこちらへ歩い....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
発端
肥後《ひご》の細川家《ほそかわけ》の家中《かちゅう》に、田岡甚太夫《たおかじんだゆう》と云う侍《さ
むらい》がいた。これは以前|日向《ひゅうが》の伊藤家の浪人であったが、当時細川家....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
してもじっとしてはいられません。そこでとうとう盗人のように、そっと家の中へ忍びこ
むと、早速この二階の戸口へ来て、さっきから透き見をしていたのです。 しかし透き....
「狂女」より 著者:秋田滋
うちには少佐がひとりいた。これがまた、ひどく頑冥な老朽士官で、鼻ッぱしの荒い、気
むずかし屋だった。 最初の幾日かのあいだは何ごともなく過ぎた。その将校には、前....
「墓」より 著者:秋田滋
一八八三年七月十七日、草木もね
むる真夜なかの二時半のことである。ベジエ墓地のはずれに建っている小さなほったて小....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
ほとんどあるまい。 水曜日から木曜日にかけての深更、某街四十番地所在の家屋に住
む者は連続的に二発放たれた銃声に夢を破られた。銃声の聞えたのは何某氏の部屋だった....
「初雪」より 著者:秋田滋
も南国へ来たことを思わせる、うつくしい眺めであった。 頭を囘らして右のほうを望
むと、サント・マルグリット島とサント・オノラ島が、波のうえにぽっかり浮び、樅の木....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
かえりて伯父に出京の事を語りしに、伯父は眉を顰め、「東京にて勉学の事は我も汝に望
むところなり、しかしまだ早し、卑近なり」とて「字を知り語を覚ゆるだけの方便なり。....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
知れないのではあるが、それでもファラデーは喜んで実験に従事し、夕方になって用が済
むと、横笛を吹いたりして楽しんでおった。 ファラデーは暇さえあれば、智識を豊か....
「寡婦」より 著者:秋田滋
バヌヴィルの館で狩猟が催されていた、その間のことである。その秋は雨が多くて陰気だった。赧い落葉は、踏
む足のしたでカサとの音もたてず、降りつづく陰欝な霖雨にうたれて、轍のなかで朽ちて....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
雲はたえず夏空に照りはえていた。 ――倦怠の城 ハドソン河の河幅がひろがり、
むかしオランダ人の航海者がタッパン・ジーと名づけていたところでは、彼らは用心して....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
一条の街道がこれから村へかかろうとするあたりに、這い込
むような小さな家が一軒、道のほとりにたっていた。彼は
むかしその家に住んでいた。土....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
。昔は人身御供ということをして、この要求を満たしていた。だが、今では社会生活を営
む必要上、われわれは殺人を犯罪としている。そして、殺人者を犯罪人として罰している....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
いい日に香椎の山で会が持たれて、一同は久作さんの山家で気勢を上げたそうである。飲
む程に喋舌る程に、熱を上げ、降りしきる虫の声も眠る頃に及ンでやっと三人かたまり五....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
て。よばぬうちに、なのりいづるな、ときくれば、はるかぜふかん。」 この平仮名を読
むために、夫婦は一晩費してしまいました。太郎右衛門が読んだ時と、お神さんの読んだ....