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やわ
「やわ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
やわの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
きることができるのである。
自分は幾度となく、青い水に臨んだアカシアが、初夏の
やわらかな風にふかれて、ほろほろと白い花を落すのを見た。自分は幾度となく、霧の多....
「河童」より 著者:芥川竜之介
とたば》の手紙を――しかれどもこは幸いにも多忙なる諸君の関するところにあらず。今
やわが心霊界はおもむろに薄暮に沈まんとす。予は諸君と訣別《けつべつ》すべし。さら....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
。我々の息吹《いぶ》きは潮風《しおかぜ》のように、老儒《ろうじゅ》の道さえも和《
やわら》げました。この国の土人に尋ねて御覧なさい。彼等は皆|孟子《もうし》の著書....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
「おお、さっそく、拝見しましょう。」
崋山はある興奮に似た感情を隠すように、や
やわざとらしく微笑しながら、紙の中の絵絹をひらいて見せた。絵は蕭索《しょうさく》....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
えているらしい面持《おもも》ちである。治修《はるなが》は顔色《がんしょく》を和《
やわら》げたまま、静かに三右衛門の話し出すのを待った。三右衛門は間《ま》もなく話....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
したが、あの沙門の加持《かじ》を受けますと、見る間にその顔が気色《けしき》を和《
やわら》げて、やがて口とも覚しい所から「南無《なむ》」と云う声が洩れるや否や、た....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
。
「今晩は、雨の降るのによく御出ででした。」
色のまっ黒な、眼の大きい、柔《
やわらか》な口髭《くちひげ》のあるミスラ君は、テエブルの上にある石油ランプの心《....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
》に錠前なおしの家へどうとかしたとか、なんとか言うので、何度聞き直しても、八幡《
やわた》の藪《やぶ》でも歩いているように、さっぱり要領が得られないので弱っちまっ....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
刻でございますか? 時刻は昨夜《さくや》の初更《しょこう》頃でございます。いつぞ
やわたしが捉《とら》え損じた時にも、やはりこの紺《こん》の水干《すいかん》に、打....
「路上」より 著者:芥川竜之介
じゃどうすれば好いんだと。」
俊助は少し持て余しながら、冗談のように相手を和《
やわら》げにかかった。
「惚《ほ》れられるさ。そうすりゃ、少しは面白いだろう。」....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
尚早で、採用を憚るというなら、しばらく之を打ちすてて時期の到るを待つがよい。必ず
やわれ等の教訓が、人類の間に全面的承認を受くる時代が早晩到来する。われ等は決して....
「或る女」より 著者:有島武郎
の光沢《つや》は、神経的な青年の蒼白《あおじろ》い膚の色となって、黒く光った軟《
やわ》らかい頭《つむり》の毛がきわ立って白い額をなでている。それさえがはっきり見....
「或る女」より 著者:有島武郎
らりふらりと揺れるような感じを失ってはいなかったが、広い畳の間《ま》に大きな軟《
やわ》らかい夜具をのべて、五体を思うまま延ばして、一晩ゆっくりと眠り通したその心....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
る。 それでも敷居をまたぐと土間のすみの竈には火が暖かい光を放って水飴のように
やわらかく撓いながら燃えている。どこからどこまでまっ黒にすすけながら、だだっ広い....
「親子」より 著者:有島武郎
泥にまみれたりしていた。彼は野生になったティモシーの茎を抜き取って、その根もとの
やわらかい甘味を噛みしめなどしながら父のあとに続いた。そして彼の後ろから来る小作....