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らっしゃる
「らっしゃる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
らっしゃるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「初雪」より 著者:秋田滋
「いいえ、ほんとうです。これじゃ、あたし凍っちまいますわ。あなたは始終出あるいて
らっしゃるから、お解りにならないでしょうけど、このままじゃ、あたしの体は凍っちま....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
子さんとおっしゃる。私は遠藤という書生だが――どうだね? その御嬢さんはどこにい
らっしゃる」 遠藤はこう言いながら、上衣の隠しに手を入れると、一|挺のピストル....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
さして、叮嚀におじぎをしながら、
「もし、もし、殿様、あなた方は一体、どちらへい
らっしゃるのでございます。」と尋ねました。
すると二人の侍が、交《かわ》る交《....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
。常子は昨夜《ゆうべ》寝る前に『あなたはほんとうに寒がりね。腰へも毛皮を巻いてい
らっしゃるの?』と言った。ことによると俺の馬の脚も露見《ろけん》する時が来たのか....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
な松の梢《こずえ》に、気のついたせいでございます。あの墓原の松のかげに、眠ってい
らっしゃる御両親は、天主のおん教も御存知なし、きっと今頃はいんへるのに、お堕《お....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
品の箱を取り下そうとしている所だった。
「ただ今じゃありませんよ。もうそちらへい
らっしゃる時分だって云っていましたよ。」
「そうか。そんなら美津のやつ、そう云え....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
見たんです。顔の長い、痩せた、髯《ひげ》のある人でした。大抵黒い、あなたの着てい
らっしゃるような服を着ていましたっけ。」――僕は、モオニングだったんだ。さっきで....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
たかと思って、障子の隙間から覗いて見ると、やっぱりそこにはたった一人、御新造がい
らっしゃるだけなんです。おまけに風に吹かれた雲が、御日様の前を飛ぶからですが、膝....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
所が校長の話を聞いて見ますと、意外な事にはその縁談の相手と云うのが、唯今先生のい
らっしゃる、このN家の二番娘で、当時私が学校以外にも、時々|出稽古《でげいこ》の....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
油をつけながら、不服らしくつぶやいた。
「きっとまたお書きもので、夢中になってい
らっしゃるのでしょう。」
お路は眼を針から離さずに、返事をした。
「困り者だよ....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
起き直った。きのうのきょうだけに意外な気がした。「Sさんは?」「先生ももう来てい
らっしゃるんだよ、さあさあ、早くお起きなさい」伯母は感情を隠すように、妙にかたく....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
熱は益《ますます》烈しくなって、やがて御床《おんゆか》の上まで転《ころ》び出てい
らっしゃると、たちまち別人のような嗄《しわが》れた御声で、「あおう、身のうちに火....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
、お前にも会えぬと思っていた。」
俊寛様もしばらくの間《あいだ》は、涙ぐんでい
らっしゃるようでしたが、やがてわたしを御抱き起しになると、
「泣くな。泣くな。せ....
「少年」より 著者:芥川竜之介
び》を帯びた返事をした。
「あたし? あたしは来年十二。」
「きょうはどちらへい
らっしゃるのですか?」
「きょう? きょうはもう家《うち》へ帰る所なの。」
自....
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
――あの方《かた》のお産はすんで?
――とうにすんだわ。
――うれしがってい
らっしゃるでしょうね。
――可哀いいお子さんよ。
――私も母親になりたいわ。....