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「ろ過〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

ろ過の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
の清六の所にいるのが不思議でならないよ。あんまり悪口いうようだけど、清六はちとのろ過ぎるさ。親父だってお袋だってざま見さい。あれで清六が博打も打つからさ。おとよ....
火星探険」より 著者:海野十三
六方向テレビジョン――通称テレビ見張器の前に席が出来た。山木はよく気がつき、むしろ過敏すぎる神経の持主だから、この役はうってつけだ。 その山木は、博士の第三命....
家なき子」より 著者:楠山正雄
れるよりも、かまわずわたしにおこりつけてくれればいいと思った。 三時間はのろのろ過ぎた。その長いといったら、とても夜がおしまいになる時がないのかと思われた。 ....
精神病覚え書」より 著者:坂口安吾
あるべきではないかと思った。一般に、精神病の患者は、自らに科するに酷であり、むしろ過度に抑圧的であって、小平のような平凡さ、動物的な当然さはないものである。精神....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
無双な腕力を持っていても、これを生かすべき戦乱はなく、ために栄達の折もなく、むしろ過ぎたるは及ばざるに如《し》かずのごとき無事泰平を示現しつつありましたので、早....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
はいよいよ鶴子の胸中を気の毒に思い、心|窃《ひそか》に倅進の如きものの妻にはむしろ過ぎたものと感服しなければならぬようになった。 老人は茶を飲み干した茶碗《ち....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て控えろと抑《おさ》えたのは当然の貫禄《かんろく》があります。 「検審に向い近ごろ過言《かごん》なり、早々刀を引き候え」 逸見を囲んでいた門下の連中は、一方に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ても、もう、かなりの分量になっていることを知り、待遇に於ても、名声に於ても、むしろ過ぎたりとも及ばざるのおそれなきことをたんのうしたから、もうこの辺で名残《なご....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
だから敬太郎の森本に対する好奇心というのは、現在の彼にあると云うよりも、むしろ過去の彼にあると云った方が適当かも知れない。敬太郎はいつか森本の口から、彼が歴....
」より 著者:夏目漱石
井が云った。 「どうぞ是非」と御米が言った。 汽車は血色の好い宗助の前をそろそろ過ぎて、たちまち神戸の方に向って煙を吐《は》いた。 病人は転地先で年を越した....
倫敦塔」より 著者:夏目漱石
再び見物に行かない事にきめた。 この篇は事実らしく書き流してあるが、実のところ過半《かはん》想像的の文字《もんじ》であるから、見る人はその心で読まれん事を希....
ムジナモ発見物語り」より 著者:牧野富太郎
じつとしていて静かに往時を追懐してみると、次から次に、あの事この事と、いろいろ過去の事件が思い出される、何を言え九十余年の長い歳月のことであれば、そうあるべ....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
い。従ってこれらの国はほとんど全部、その生産物に比して人口は不足であるよりはむしろ過剰なのであるから、相互に何らかの移住の資源を与え得るものとは、考え得ない。今....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
十枚かき終り。「この岸辺には」という題です。これは書きかたがむずかしくて。何にしろ過渡期の初りですから、単純なかきかたで四十枚余かいて終ったが、どうもと思えるの....
みちの記」より 著者:森鴎外
近き山の麓より立てり。幅きわめて広く、山麓の人家三つ四つが程を占めたり。火点しごろ過ぎて上田に着き、上村に宿る。 十八日、上田を発す。汽車の中等室にて英吉利婦....