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アクセント
「アクセント〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
アクセントの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
ゃないか」――気の早い赤木君が、新聞をほうり出しながら、「行《い》」の所へ独特の
アクセントをつけて言う。そこでみんな、ぞろぞろ、休所を出て、入口の両側にある受付....
「或る女」より 著者:有島武郎
を感じていた。葉子の膝《ひざ》はふうわりとした軽い重みを覚えていた。耳には子供の
アクセントが焼き付いた。目には、曲がり角《かど》の朽ちかかった黒板塀《くろいたべ....
「或る女」より 著者:有島武郎
た。葉子はくるりと岡のほうに向き直った。
「ようございますとも(葉子はそのように
アクセントを付けた)あなたにお迎いに行っていただいてはほんとにすみませんけれども....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
々の姿はハッキリしなかった。しかし、向うは、もう気がついたらしく、西洋人の訛った
アクセントで呼びかけるのが聞えた。 「イチロ、イチロ」 「イチロ」 息子の名を....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
いか。その忘却の心理には、きわめて精密な機構があって、同じ発音の言葉でも、抑揚《
アクセント》が違う場合には、一時ことごとく記憶の圏外に擲《な》げ出されてしまう。....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
ップをすっと引き寄せてから、その反動でぐっと女の体を押して行く――いわば情熱的に
アクセントの強いタンゴの中でも、クンパルシータの曲は誰も踊りたがり、お茶を引いて....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
小沢の傍に掛けると、 「――おビール持って来まひょか」 大阪弁を使っているが、
アクセントは上方のそれではなかった。どこからか大阪へ流れて来た女らしい。 「いや....
「橡の花」より 著者:梶井基次郎
の暗示する言語が東京のそれでもなく、どこのそれでもなく、故郷の然も私の家族固有な
アクセントであることを知りました。――おそらく私は一生懸命になっていたのでしょう....
「小公女」より 著者:菊池寛
ませんよ。この子はフランス語を覚えたのじゃアない、この子自身がフランス語ですよ。
アクセントなんぞ素敵なものだ。」 「なぜ、私にいわなかったのです。」ミンチン女史....
「博物誌」より 著者:岸田国士
は、例のあどけない、しかも歯の抜けた口をあけ、熱い息を吐きながら、心もち英語式の
アクセントで―― 「じゃ、君はどうだい?」 と、やり返した。 〔L'Araig....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
私は朔太郎にふれ、朔太郎から何ものかを受けていた。私は単身上京した。しかし流暢な
アクセントになじめないですぐに帰って来た。私はやはり死に度いと思っていた。感傷で....
「源おじ」より 著者:国木田独歩
喜びもせず。ただ動き、ただ歩み、ただ食らう。食らう時かたわらよりうまきやと問えば
アクセントなき言葉にてうましと答うその声は地の底にて響くがごとし。戯れに棒振りあ....
「渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
度とを五人が五人までしてみせた。 彼等が口にする「アナタア」には、露骨にこびた
アクセントがあった。 「ザンパンない?」子供達は繰かえした。「……アナタア! 頂....
「氷河」より 著者:黒島伝治
きし/\鳴らせ、線路に添うて走せてきた。蹄鉄のひゞきと、滑桁の軋音の間から英語の
アクセントかゝったロシア語が栗本の耳にきた。 「止まれッ!」 ロシアの娘を連れ....