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アンモニア
「アンモニア〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
アンモニアの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
すからね」 「このごろどこでも気絶ばやりだね。だから僕もいつもこうして気つけ用の
アンモニア水のはいった小さいびんをポケットに入れてもっている」 そういってカコ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
罎には無色の揮発性の物を貯わえてあって、それはなんだかわからない。そのうちに燐と
アンモニアの幾分を含んでいるが、別に有毒性の物ではなかったと言い得るだけのことで....
「街底の熔鉱炉」より 著者:佐左木俊郎
光《ひかり》の中できらきらと光ったりしては消えた。煉瓦塀の中の工場から流れ出した
アンモニアの臭気がその泥溝《どろどぶ》の上へいっぱいに拡がり漂っていた。泥溝の複....
「黒猫」より 著者:佐々木直次郎
の壁のなかへ押しつけ、そうして、その漆喰の石灰と、火炎と、死骸《しがい》から出た
アンモニアとで、自分の見たような像ができあがったのだ。 いま述べた驚くべき事実....
「福沢諭吉」より 著者:高山毅
しゃ(塩化アンモニウムのべつの名)をつくってみることになりました。それにはまず、
アンモニアをつくらなければなりません。
アンモニアはほねからとりますが、ほねのかわ....
「喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
たときに起る対流渦動の実験にはいつもこれを使っていたが、後には線香の煙や、塩酸と
アンモニアの蒸気を化合させて作る塩化
アンモニアの煙や、また近頃は塩化チタンの蒸気....
「小さな出来事」より 著者:寺田寅彦
て耳たぶを刺され、さんしちの葉をもんですりつけた事を想い出したりした。あの時分は
アンモニア水を塗るというような事は誰も知らなかったのである。 とにかくこんなと....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
すなわち石炭を燃やして発電機も動かされる。熱も炭酸も湿気も出来る。窒素肥料の硫酸
アンモニアもまた石炭から採ることが出来るという話である。その石炭なるものは太古の....
「変な男」より 著者:豊島与志雄
な時には後で仕返しをしてやるわ。こないだなんか、ウェストミンスターの煙草の袋に、
アンモニアを一雫垂らしといてやったの。そりゃあ可笑しかったわ。この煙草は臭い臭い....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
たのだ。この打撃で済んだ。もう終わりだ。かえって仕合わせというものだ! この子に
アンモニアを嗅《か》がせたりやたらに薬を飲ませたりしても、もう何の役に立とう。ド....
「線香花火」より 著者:中谷宇吉郎
硫黄の香に咽せながら何枚も何枚も写真を撮って見る。その上乾板の感度を高めるために
アンモニアを使うので、換気の悪い暗室の中は直ぐ鼻をつく瓦斯に充満されてしまう。そ....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
さの副室がついていて、この方は零下三十度まで冷却出来るようになっている。冷却機は
アンモニア使用の製氷機である。この実験室が出来たので、大喜びで早速人工霜の装置を....
「ポラーノの広場」より 著者:宮沢賢治
その眼の下をこすりました。 「何だいこの薬は。」デストゥパーゴが叫びました。 「
アンモニア二%液。」と親方が落ち着いて答えました。 「
アンモニアは効かないって、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
袋へ毛ぬきだの鋏だのの入ったものをあげました。私は南京虫にくわれると実にひどくて
アンモニアをつけてやっとしのぎました。それを思い出して。マヤコフスキーに「南京虫....
「道標」より 著者:宮本百合子
告塔そっくりの共同便所の下から流れ出した穢水が陽気なさわがしい街の一隅にかすかな
アンモニアのにおいをただよわせた。
パリのこの一角で、生活は率直な活気と気分を....