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オリーブ色
「オリーブ色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
オリーブ色の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「怪夢」より 著者:夢野久作
煙を吐き出す煙突を見上げた。その斜《ななめ》に傾いた煙突の半面が、旭《あさひ》の
オリーブ色をクッキリと輝かしながら、今にも頭の上に倒れかかって来るような錯覚の眩....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
ないが、巴里の最新画派の作品を原画で観るということは、人々には稀有の機会だった。
オリーブ色の壁に彩色画が七八点エッチングが三十点ほど懸け並べられてあった。その前....
「道づれ」より 著者:宮本百合子
半ば後をふりかえるようにして番人のあけた硝子戸を入った。毛皮を肩にかけて艶々した
オリーブ色のコートを着たずっと年配の女が、ダイヤモンドの目立つ片手を毛皮の襟巻の....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
を通じて何一つ上等でないものはない。そうして更に驚くべき事には、その服も帽子も、
オリーブ色の雨外套も、染料の香気がまだプンプンしているらしい仕立卸しで、硝子のよ....
「スポールティフな娼婦」より 著者:吉行エイスケ
つか/\と彼のかたわら迄彼女は行くと、少しばかりスカートを捲いてマリは薬品の為に
オリーブ色になった唾液を床に吐いた。 「おい、黄。おれはなあ、今夜っきりおまえが....
「ロンドン一九二九年」より 著者:宮本百合子
風なセセッション式壁紙の根っこに置いてある。 少しばかりの着物の束を押しつけて
オリーブ色の手帳、大日本帝国外国旅券NO・084601が入っていた。あっちこっち....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
も、なか/\立派に見えます。男らしい顔つきで、きりっとした口許、弓なりの鼻、頬は
オリーブ色、動作はもの静かで、態度に威厳があります。年は二十八年と九ヵ月というこ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
てら、いつ縫って来るつもりでいるのでしょう! そうそう牛込の荷物ね。あのなかには
オリーブ色、細かい格子の裏の絹の丹前があっただけでポンポコはありませんでした。あ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
て、ものをのせたり書いたりしてずらないようなのは。ああ、昔父がロンドンでつかった
オリーブ色のぼったりした野暮くさいテーブルかけがあったっけが、どうしたかしら。虫....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
った三枚のチョッキを青や赤を下にして重ねて着、胴が短く後が魚の尾のようになってる
オリーブ色の上衣をつけ、たくさん密に並んだ二列の銀ボタンを肩の所までつけ、ズボン....
「サレーダイン公爵の罪業」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
も不調和な白ちゃけた、粗末なズボンといった形だ。こうした古式蒼然たる拵えの中から
オリーブ色の顔だけが妙に若々しく素敵に真剣らしく、またそっと立っていた。 「エッ....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
物では「名馬天馬」などという写真が松山館に現われた。 松山館の弁士はよく「空は
オリーブ色に晴れ渡り絶好の飛行びより」と謡うように言つた。
オリーブ色の空というの....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
なに強く光る初世の眼を初めて見た気がした。遠くからのアセチレン燈の微光が、初世の
オリーブ色の金紗の着物を朝草のように青々と浮き立たせていた。 と言つて、初世は....