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「カップ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

カップの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
びやか》されたような眼をあげて、われ知らず食堂車の中を見まわした。鏡をはめこんだカップ・ボオド、動きながら燃えている幾つかの電燈、菜の花をさした硝子の花瓶、――....
文章」より 著者:芥川竜之介
たちまち机に向うと、インク壺へペンを突《つっ》こむが早いか、試験用紙のフウルス・カップへ一気に弔辞を書きはじめた。 × × ....
或る女」より 著者:有島武郎
襟の藍鼠《あいねずみ》は、なんとなく見る人の心を痛くさせた。細長い食卓の一端に、カップ・ボードを後ろにして座を占めた事務長の右手には田川夫人がいて、その向かいが....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
中にわかに思い立ち、北極海観光の一行に加わり、欧州最北地点なるノルウェー・ノールカップにおける夜半の太陽を望見せんことを期し、パケット会社の観光船エーボン号に搭....
壊れたバリコン」より 著者:海野十三
ったのを覚えました。僕は直ぐ様ローカル・オスシレーションの方を調節して見ました。カップリングを静かに変えて見ました。グリッド、リークを高めてみました。その結果は....
地獄の使者」より 著者:海野十三
さあ、もう何でも質問していいよ」 帆村は、途中で八雲助手の持って来たコーヒーのカップを取上げて、咽喉を湿した。コーヒーは、すっかり冷くなって、底には糟がたまっ....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
空を、足の速い片雲が夥しく東の空へ飛び去っていた。 やがて食事が済むと、紅茶のカップを持ったまま、窓の外を見ながら東屋氏が口を切った。 「あの柱は、何になさる....
灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
油ガスが漏れているらしく、シューシューとかすかな音を立てていた。そしてその大きなカップ状の水銀槽にささえ浮められた大ランプの台枠の縁には、回転式灯台特有の大きな....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
れの際に、九十郎を抱擁したのは、その目的がまさにそうではないか。さながら、風琴のカップラーを引き出して音色を変えるように、彼女は相手の胸腔を引きしめ、弛ませつつ....
競馬」より 著者:織田作之助
て勝負を投げてしまったが、次の新抽《しんちゅう》優勝競走では寺田の買ったラッキーカップ号が二着馬を三馬身引離して、五番人気で百六十円の大穴だった。寺田はむしろ悲....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
人気を立証するものだった。この厚情を彼は歓び、感謝のしるしとして、珍しい型の銀製カップを大学に贈った。奇妙なこの杯は、いまも副総長室のテーブルの上に置かれ、これ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、場長さんが、若い技手に白い陶器のミルク入れと、白い西洋皿と、透きとおった薄手のカップとを運ばせて来た。白い二つの皿には水っぽい新鮮なサラダの緑を、白い三つの皿....
ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
で、見ると血のついた文鎮が足許の所に落ちていたわ。この文鎮というのは先生がフルスカップって、そら大きな西洋の罫紙ね、あれを広げたまま押さえる為に特別にお拵えにな....
痴人の復讐」より 著者:小酒井不木
ような話をしなければならなくなった。 で、C眼科医は小咳を一つして、コーヒーのカップを傾け、ぽつり/\語りはじめた。 私は今から十五年程前、T医学専門学校の....
スポーツ・文学・政治」より 著者:坂口安吾
されたものだった。だけどチルデンももともとスピード選手だったんだ。日本のデヴィスカップ選手だって、佐藤次郎のような一流はスピード選手だ。藤倉なんか技巧派だから、....