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カンテラ
「カンテラ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
カンテラの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
煙突《えんとつ》が一本。そこにはまた労働者が二人せっせとシャベルを動かしている。
カンテラを一つともしたまま。……
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テエブルの前の....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
なんだ。
「往来にはずっと両側に、縁日商人《えんにちあきんど》が並んでいる。その
カンテラやランプの明りに、飴屋《あめや》の渦巻の看板だの豆屋の赤い日傘だのが、右....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
しますから帰ってくれ、と言うのでまた坑夫の家に行って泊った。三日三晩というもの、
カンテラと鶴嘴で守ってもらった感激は、今でも忘れることができない。 しかし、最....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
生命を保障できないなら自分たちがあずかると私たちを警察から出してくれ、三日三晩、
カンテラとツルハシで守ってくれた。しかし事態は二転し、私たちはまた検束され後から....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
うる余地のない、而して最も肉体を苦しめる労働はかんかん虫のする労働である。小さな
カンテラ一つと、形の色々の金槌二つ三つとを持って、船の二重底に這い込み、石炭がす....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
古本がある中の、表紙の除れた、けばの立った、端摺の甚い、三世相を開けて、燻ぼった
カンテラの燈で見ている男は、これは、早瀬主税である。 何の事ぞ、酒井先生の薫陶....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
い使われた。大根売りや米つき。へとへとになって夜机に向かいながらついうとうとし、
カンテラの火で着物の右そでを焦してひどくしかられたこともあった。私は高等を出たら....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
ちて、灰かきもまだ進まず、殆んど全部がそのままになっていた。ただ道傍や空地には、
カンテラや小暗い蝋燭を点して露店が出ていた。芋を売る店、焼けた缶詰を山のように積....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
座っている一団から、飛び出して来た兵士だった。小さい鐘を横にしたような中に、細い
カンテラの灯が動いている、その微かな灯影の周囲に三四人の兵士が跼っていた。よく見....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
おって進軍をおこした。橇もなければ、犬もいない。歩きなれない氷上を、一行は小暗い
カンテラの灯をたよりにして、一歩一歩敵地にすすんでいった。 夜が明けかかると、....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
の周囲にときどき右往左往する若鰡の背が星明りに閃く。父はあまり遠くない蘆の中で、
カンテラを燃して数珠子釣りをやっている。洲の中の環虫類を糸にたくさん貫いて、数珠....
「思い出草」より 著者:岡本綺堂
そランプを用いたれ、奥の住居では大抵行灯を点していた。家に依ては、店頭にも旧式の
カンテラを用いていたのもある。往来に瓦斯灯もない、電灯もない、軒ランプなども無論....
「我楽多玩具」より 著者:岡本綺堂
うのは決してありませんでした。天保銭がまだ通用していた故かも知れません。うす暗い
カンテラの灯の前に立って、その縁日玩具をうろうろと猟っていた少年時代を思い出すと....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
を用いたれ、奥の住居ではたいてい行燈をとぼしていた。家によっては、店先にも旧式の
カンテラを用いていたのもある。往来に瓦斯燈もない、電燈もない、軒ランプなども無論....
「海ほおずき」より 著者:小川未明
を出していた場所には、知らぬ背の高い男が、ダリアを地面にたくさん並べていました。
カンテラの火は、それらのダリアの花を照らしていました。中に、黒いダリアの花が咲い....