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カーキ色
「カーキ色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
カーキ色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
張上げた。「閣下、どうか、おはいり下さい」 扉の蔭から、閣下と呼ばれた人物の、
カーキ色の軍服が、チラリと見えた。ガチャリと佩剣が鳴って、一人の将校が、全身をヌ....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
てネ、正午のサイレンからして、あれは多分十一時二十分頃だったろうと思うのですが、
カーキ色の実験衣を着た園長が入って来られまして、そうです、二三分間だと思いますが....
「蠅男」より 著者:海野十三
検事は別室に引かれていった。 現場では、無慚な最期をとげた塩田先生の骸の上に、
カーキ色の布がフワリとかけられた。 水田検事の一行は、予審判事と組んで、惨劇の....
「地球盗難」より 著者:海野十三
を起したとき、死んだように働きを停めたそのプーの機翼がユラユラと揺れ、その下から
カーキ色の飛行服に身を固めた一人の人物が匍い出してきた。そして立ち上ったと見る間....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
君の方が、人の母としては却って幸いであったかもしれない。 帰り路に虎渓橋の上で
カーキ色の軍服を着た廃兵に逢った。その袖には赤十字の徽章をつけていた。宿に帰って....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
彼等は同胞というセンティメンタルな封建的な感情に誘惑された。「あゝ、早く、あの、
カーキ色の軍服を着た兵隊さんが来て呉れるといゝんだがなア!」とひとしくそれを希っ....
「パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
らばった。 二 ユフカ村から四五露里|距っている部落――C附近を
カーキ色の外皮を纏った小人のような小さい兵士達が散兵線を張って進んでいた。 白....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
一人の男がするすると下りてきた。そのときロープの先は地上についていた。その男は、
カーキ色の作業衣に身をかためた男だった。その男も倒れている戸倉老人も共に探照灯の....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
着ていたが、質はよいと見え、破れている箇所は一つもなかった。そしてコートの奥には
カーキ色の服ともシャツともつかぬものを着ているらしく、はでな赤いネクタイをむすん....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
しか思えないような真新しい革のトランクをぶらさげているものもあった。たいていは、
カーキ色の青年団服だったが、中に四五名背広姿がまじっており、それらは比較的年かさ....
「入営する青年たちは何をなすべきか」より 著者:黒島伝治
家のことなどを、なつかしく想いかえす。心配する。 兵営は暗く、新しく着せられる
カーキ色の羅紗の服は固ッくるしい。若ものたちは、送ってきた親や、同志たちと、営庭....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
ているので玄関はどのくらい先にあるか判らない金持の邸の並木の欅五六本目のところで
カーキ色の古ズボンを穿いた老人が乾した椎茸を裏返している。こんな町中で椎茸が栽培....
「春」より 著者:岡本かの子
男が、加奈子の佇って居る庭に面した廊下の窓の方へ現われた。だぶだぶの帆布のような
カーキ色の服を着て居る。ぐっしょり落花を被った頭の白髪が春陽の光にきらきら光る。....
「秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
君の方が、人の母としてはかえって幸であったかも知れない。 帰り路に虎渓橋の上で
カーキ色の軍服を着た廃兵に逢った。その袖には赤十字の徽章をつけていた。宿に帰って....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ない。 お雪との生活の思い出を残す世帯道具をいっさい売払い、私は御堂筋で二円の
カーキ色の兵隊服を買い、龍田川丸に乗込んだ。めざすは満州だが、あり金をはたいてや....