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「カーブ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

カーブの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
やがてそれがエンジンの騒音に消されて、トラックが動き出した。 橋を渡ると、急にカーブした。途端に陽子は茉莉を想い出した。 陽子がダンサーになったのは、茉莉と....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
だった。 多鶴子の車は道頓堀通を真っ直ぐ御堂筋へ出てナンバの方へ折れて行った。カーブした拍子に、多鶴子はちらと眼をあげて走っている方角をたしかめたが、すぐまた....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
番へ焼夷弾が落ちた」と話して行った。きょう博文館の新青年女史がきて「あれは十番のカーブを電車が急に通った時に高音を発し、それが警防団員の耳に焼夷弾が落ちたように....
気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
もうこの附近はW駅の西端に近く、二百|米程の間に亙って、全線路が一様に大きく左にカーブしている。私達は幅の広いそのカーブの中を、懐中電燈で血の雫の跡を追いながら....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
が非常に盛んなんです。で、多分、何かの拍子で豚舎の柵を飛び出した黒豚が、気ままにカーブ附近の線路を散歩中不慮の災難に出合ったものに違いない――とまあ、そんな風に....
白妖」より 著者:大阪圭吉
も鮮かに車窓を掠め去る。 やがて自動車は、ひときわ鋭いヘヤーピンのような山鼻のカーブに差しかかった。運転手は体を乗り出すようにして、急激にハンドルを右へ右へと....
山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
投げあげし パラシュートの開くごとく 落ちると見えし身体 ひらりと変り 美わしきカーブの跡 彼の姿は崖に消えぬ 二十秒 三十秒 あれ見よ下に 小さくあらわれしあ....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
ら、また、ばらばらと石塊がふってきた。アンは、ハンドルの上に首を縮めながらも、急カーブを切って崩れて落ちた石塊の充満する辻を、右へ折れた。車は、ゴム毬のように、....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
並んでいる無数の縁は安ものの仮縁でさえちゃんと正確なクラッシックな心がその一つのカーブにまで現れているようだ。 また古物の素晴らしいのが見たければ古縁屋へ駆け....
石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
馳け出していった。が、次の瞬間もう二人の姿は、道路と共に緩やかな弧を描いて北側へカーブしている、秋森家の長い石塀の蔭に隠れて、そのまま見えなくなってしまった。―....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
督や技師に逢ったきり、会社の男にぶつからなかったお品は、最後のポイントを渡ると急カーブを切って峯吉の採炭坑へ駈け込んで行った。 闇の坑道には、いつものように峯....
くまと車掌」より 著者:木内高音
音が、遠くなったり近くなったりする。全線中で一ばん危険な場所になっている急勾配のカーブにさしかかるにはまだだいぶ間があるので、わたしは安心してまた腰をおろすと、....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
でも見逃がすまいと眸を凝らした。三度五度、ついには全くその姿を失うて、車は大なるカーブを画き、南の方|無格恰な富士の頂を見た時、夢から醒めたような思いがした。そ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、光る、光る、光る。一面の波の光だ。 汽車は駛る。 玩具のような樺太の汽車。カーブだ。や、砂浜だな。 木柵、木柵、木柵、 海老茶だ、あ、すかんぽだ、あ、....
機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
員曰く、 「遺書らしいものも発見されませんので、自殺らしいとも思われません。多分カーブの地点でデッキにでも立っていられ、その際振り落されたものではないかと思いま....