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ガラス戸
「ガラス戸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ガラス戸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
、岡田《おかだ》君のあとについて、自分の番が来るのを待っていた。もう明るくなった
ガラス戸の外には、霜よけの藁《わら》を着た芭蕉《ばしょう》が、何本も軒近くならん....
「或る女」より 著者:有島武郎
。きょうは雪が積もってなおさらきれいですわ」
葉子は岡を二階に案内して、そこの
ガラス戸越しにあちこちの雪景色を誇りがに指呼《しこ》して見せた。岡は言葉|少《す....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
も、君は素朴なはばかりから帽子もかぶらずに、重々しい口調で別れの挨拶をすますと、
ガラス戸を引きあけて戸外に出た。 私はガラス窓をこずいて外面に降り積んだ雪を落....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
校というのが同盟退校の決議にまで進んだ。 もうこんな学校に用はないというので、
ガラス戸は滅茶苦茶にこわされた。そして生徒控室にあった机や椅子は、ほとんど全部火....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
行く道には必ず病監の前を通った。普通の家のような大きな窓のついた、あるいは一面に
ガラス戸のはまった、風通しのよさそうな、暖かそうな、小綺麗な建物が、ほとんど四季....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
、金谷先生がその飾窓の前に足をとどめた。先生はめったにこんなところへこないので、
ガラス戸の中におさまっているいろいろの商品をもの珍らしくながめた。立花先生の方は....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
って、わが家へ向った。 門を開いて、庭づたいに小屋の方へ歩いていると、お座敷の
ガラス戸ががらりとあいて母親が顔を出した。 甲野博士へのあいさつもそこそこにし....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
ところを、誰かに起された。 起したのは、道夫の母だった。もう朝になったと見え、
ガラス戸に陽がさしていた。 道夫は、昨夜のことを母に話さなかった。それは、そん....
「火星兵団」より 著者:海野十三
わかった。
「ふうん、ずいぶん、りっぱな自動車もあればあるもんだなあ」
彼は、
ガラス戸におでこをこすりつけながら、思わずひとりごとを言った。
「ああ、ぼっちゃ....
「怪塔王」より 著者:海野十三
曹長がとじこめられている部屋の明かりが、海底にさしたものと見えて、魚がゆらゆらと
ガラス戸のところへ、よって来ました。 それをじっと見ていた小浜兵曹長は、はっと....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
が吹いた。ほとんど毎日と言ってもいいくらいに、午後の二時頃になって、向側の監房の
ガラス戸がガタガタ言い出す。来たな、と思っている中に、芝居と牢屋とでのほかにあま....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
出るときには、いつでも家じゅうに変な匂いがするんですよ」 ちょうどその時に店の
ガラス戸があいたので、菓子屋の職人は急いで店の方へ出て行って、今はいって来た客に....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
った。ロバートは真っ蒼になって顫えていたが、やがて重い真鍮の金具をとって窓の丸い
ガラス戸をしめかけた。 「なぜ、貴様はおれに返事をしないのだ」と、僕はまた呶鳴り....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
までも眼に残った。何んて奇麗な男だろう。 小田切大使の遺骨は黒い布に覆われて、
ガラス戸棚の中段に安置されていた。その前には黒いリボンを結んだ小さな造花の花輪が....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
今日の回向院はバラックである。如何に金の紋を打った亜鉛葺きの屋根は反っていても、
ガラス戸を立てた本堂はバラックという外は仕かたはない。僕等は読経の声を聞きながら....