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「キッド〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

キッドの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
さんは両肘《りょうひじ》を鉄の手擦《てすり》に後《うしろ》から持たして、山羊仔《キッド》の靴を心持前へ出した。煙草を啣《くわ》えたまま、眼鏡越に爪先の飾を眺《な....
明暗」より 著者:夏目漱石
えないの」 「うん。――まあそうだ。だから何かほかのものを買ってやろう」 「じゃキッドの靴さ」 毒気を抜かれた津田は、返事をする前にまた黙って一二間歩いた。彼....
光と風と夢」より 著者:中島敦
」の完結で、愈々《いよいよ》、「デイヴィッド・バルフォア」に専念できる。「誘拐《キッドナップト》」の続篇だ。何度か書出しては、途中で放棄していたが、今度こそ最後....
山吹町の殺人」より 著者:平林初之輔
夜、山吹町で履物《はきもの》専門の空巣ねらいが逮捕されたが、同人は、被害者宅にてキッドの赤靴を一足盗んだという奇怪な陳述をしているので取調中である」 新聞の記....
黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
われる絵が見えるようになってきた。しかし、もっとよく調べてみると、それは仔山羊《キッド》のつもりなのだということがわかった」 「は、は、は!」私は言った。「たし....
ロンドン一九二九年」より 著者:宮本百合子
英国公園の樹々の間にあってややエキゾティックな派手さを部分的に描き出した。片手のキッド手袋はぬがぬままステッキのかしらについて、茶碗をくちもとにはこんでいる老紳....
恐竜島」より 著者:海野十三
云っていた島の住人なのか」 張が落ちついた静かな声で云った。 ブラック・キッドの宝《たから》 まず飛んで来たのはポチだった。 ポチは玉太郎の腰にとび....
一連の非プロレタリア的作品」より 著者:宮本百合子
ョア作家はそれについて何を実感するであろうか。そのステッキの外見の瀟洒さ。流行。キッドの手套。キャデラック。又は半ズボンと共に郊外の散歩。あるいは忽然として、自....
」より 著者:新美南吉
とが、めまぐるしい闘争をした。それが春吉君の動悸《どうき》を、鼓膜《こまく》にドキッドキッとひびくほど、はげしくした。そして、しばらく正義感がおさえられた。 ....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
て奴あとても物識らずで描けめえとあっしは思いますがな。はあ、ここにありますよ、『キッド船長(註五三)碇泊所』とね、――あっしの船友達もそう言ってました。南の岸に....
旅だち」より 著者:豊島与志雄
かも知れませんでした。 その日になると、敏子は、軽快な茶色ウールのスーツを着、キッドの赤靴をはいて、楽しげに出かけました。 車が後れて、会場には三時半すぎに....
被尾行者」より 著者:小酒井不木
、やがて賑かな大通りが先方に見え出したとき、ふと傍に、紫色の硝子にカフェー・オーキッドと白く抜いた軒燈を見た。外観は小さいが、中はテーブルが五六十もあるカフェー....
「マリー・ロオジェ事件」の研究」より 著者:小酒井不木
裂かれた布片で絞殺され、両腕のまわりに紐の跡がはっきり附いていた。両手には薄色のキッドの手袋をはめ、ボンネットは、リボンによって頸にひっかかっていた。そうして衣....
不在地主」より 著者:小林多喜二
タバタッてのな。」――由三が隣りの奴の手をつかんで、自分の胸にあてた。「な、胸ドキッドキッてるべ、これと同じだんだとよ。――あれ船の心臓だとよ。俺の姉云ってたわ....
我が教育の欠陥」より 著者:新渡戸稲造
なり。その原因はこれを一言にして挙ぐるを得べし。曰く品性《キャラクター》なりと。キッドが、その種族の偉大なる原因は、平民的なる日常道徳を有してこれを行うことと、....