» キ印

「キ印〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

キ印の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戦話」より 著者:岩野泡鳴
ど、何やら様子が不思議やったんで、軍曹に目を離さんでおったんやが、これはいよいよキ印になっとるんや思た、自分のキ印には気がつかんで――『軍曹どの危の御座ります』....
発掘した美女」より 著者:坂口安吾
さら気がつくことはなかんべ」 「なぜ」 「この温泉へ家族づれで来る客のうち一人はキ印さね。大昔からキ印の温泉さ。滝にうたれているのがみんなキ印さ。真人間は滝の裏....
もう軍備はいらない」より 著者:坂口安吾
活は盗まれることがなかろう。 けれどもこんな国へもガムシャラに盗みを働きにくるキ印がいないとは限らないが、キ印を相手に戦争してよけいなケガを求めるのはバカバカ....
山の神殺人」より 著者:坂口安吾
、今日にも釈放のつもりですが」 数日前に、農家の甚兵衛方で娘殺し事件が起った。キ印の娘ヤス子(当年十八歳)を一室に監禁し、食事を与えずチョウチャクして死に至ら....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
んだものでしたから、ぽかんとしてしまったのは伝六で――、 「こりゃだんな、どうもキ印のようでござんすぜ」 そろそろとお株を始めた様子でしたが、しかし右門は黙っ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ちまちまた噴水のように吹きあげたのはあいきょう者でした。 「世の中にゃ、変わったキ印もあるもんじゃござんせんか。まさかに、あのおやじ、稲荷《いなり》さまのお使い....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ものそばにいるっていうんですがね」 「キの字か」 「そうそう、そのキの字なんだ、キ印なんだ。それも、二十三、四のうらわけえ気違いがね、殺された子どものそばに、に....
ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
の牢獄も同様な場所に身を置くということよりも、狂人の多勢居るところへ行って本物のキ印を見ることを恐れた。午後に、熊吉は小石川方面から戻って来た。果して、弟は小間....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
と寺の土蔵まで焼け落ちたかもしれない、こんな事が公然と真昼間に行なわれて、しかもキ印のする事でないとしたら、自分なぞは首をくくって死んでしまいたいと言うものがあ....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
巧妙な詐欺師にひっかかって巻きあげられるかして、苦もなく使い果たしてしまう宗教的キ印《じるし》に類する青年の一人に違いないと、すぐに気づくからであった。概して彼....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
い、これは弥次郎兵衛、喜多八より役者がたしかに上だと思いました。少なくとも一種のキ印には相違ないが、そのキ印は、キチガイのキではなく、キケン人物のキでもなく、最....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
言ってみたり、石を叩いたり、木を撫でたり、おめき叫んだりしている――様子が変だ、キ印ではねえか」 物事は、当人が凝《こ》れば凝るほど、信ずれば信ずるほど、凡俗....
途上の犯人」より 著者:浜尾四郎
いましたよ。一緒に歩いてくれと云うので、一緒に歩いてやったんですがね。どうも一寸キ印じゃないんですか」 「いや、そうですか、全く御関係はないのですか」 「無論で....
小説 円朝」より 著者:正岡容
への字に曲げたりしてはまたブツブツ呟きながら、夢中で歩きつづけていった。 「オ、キ印だ」 「まだ若えのに可哀想に――」 そういって何べんすれ違う人たちに嗤われ....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
るのではないかと思われる位であったが、なおよく気を付けてみると、それが、毎日毎日キ印を扱い慣れている扱いぶりのようにも思えるので、私はスッカリ悲観させられてしま....