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「ギヤマン〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

ギヤマンの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
いたものの、誰よりも美しい顔をしていた。僕は彼女の顔を見た時、砧手《きぬたで》のギヤマンを思い出した。実際また彼女は美しいと云っても、どこか病的だったのに違いな....
船医の立場」より 著者:菊池寛
大声に叫んだ。 船上に怪しい叫び声が起り、人の気勢《けはい》がしたかと思うと、ギヤマンの灯籠《とうろう》が、舷側から吊し下ろされた。見上ぐると、船上から数人の....
貞操問答」より 著者:菊池寛
、まだ尾を曳いている悲しい気持を、紛らわすように、朝刊を展いて坐った。 母は、ギヤマンの壺から、梅ぼしを小皿にわけて、茶を入れてくれたが、 「どうしたの。新子....
美味放談」より 著者:北大路魯山人
ころが豆腐をただ食っていれば、別に話はなかったが、この豆腐を入れる容れ物が、当時ギヤマンと呼ばれていた紅|硝子の切子細工で実に見事なものなんだ。そのギヤマンの中....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
憎さげになかば嘲笑うように、 「云って見れば閨房なので。同時に拷問室でもあれば、ギヤマン室までありますので。田沼侯お気に入りの平賀源内氏が、奇才を働かせて作った....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
、一回に三条入れなければならない。夫れから数を百だけ呼ぶ。呼んだ時分に液が出る。ギヤマンの壺を夫れへ宛てる。竹篦で液を掬い取る。切り手と掬い手とは異わなければな....
柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
には青と黄との、浮模様|絨氈が敷き詰められてあった。昼のように煌々と明るいのは、ギヤマン細工の花ランプが、天井から下っているからであった。 「雲州の庭、よく解っ....
老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
望したような、ほっとなったような気持で対馬守は、短銃と一緒にオランダ公使が贈ったギヤマン玉の眼鏡をかけ直すと、静かに呼んで言った。 「道弥はおらぬか。灯りが消え....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
ぶりだな。よく来てくれた。」 と言って、心から喜んで迎えた。そしていつもの剣菱をギヤマンの徳利に入れて、自分で燗をしだした。その徳利はオランダからの渡り物だとい....
虫干し」より 著者:鷹野つぎ
い枠《わく》のついた三本脚の黒塗の台に、硝子鉢が篏めてありましたが、父はそれを『ギヤマンの金魚鉢』と呼んでいました。 私は刀に少し触《さわ》ってみたり、文庫の....
南国太平記」より 著者:直木三十五
が、品川へ来るのかえ?」 「来るよ。来たら、何をしゃあがるか判らねえ、何んしろ、ギヤマンで、赤いものを飲んでるって噂だが、こいつは、人の血だねえ。天狗が、人を裂....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
「お冷水《ひや》を持って来て」 「はい」 次の間で女中が返事をすると、まもなくギヤマンの美しい杯《さかずき》が蒔絵《まきえ》の盆の上に載せられて、若い女中の手....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ら問いかけました、 「何です、それは」 「西洋酒の罎です」 「イヤに黒い、下品なギヤマンですな」 と、一応は夷狄のものをケナしてみるのも、一つの癖かも知れません....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ものを突きつけました。 「これは、西洋のお酒です、まあ一口、召上ってごろうじろ」ギヤマンの瓶に入れた幾本の酒、まずその平べったい一本を取って、主膳の前にお絹が置....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
と、神尾は横目で、じろじろと丸髷をながめながら通ると、お絹は自分の部屋で、ひとりギヤマンを研《みが》いていたらしい。 幾つものギヤマンをそこへ並べて、その傍ら....