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コントラスト
「コントラスト〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
コントラストの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「菜の花」より 著者:小島烏水
うど雪のようだ、そして黄色の野原の末に、紫に烟って見える遠山の色、悪くはおもわぬ
コントラストだ、そしてその黄色い海の内を、赤い絵日傘の娘が通る」と言って、大阪の....
「少女病」より 著者:田山花袋
に、その容貌が前にも言ったとおり、このうえもなく蛮カラなので、いよいよそれが好い
コントラストをなして、あの顔で、どうしてああだろう、打ち見たところは、いかな猛獣....
「生ける人形」より 著者:寺田寅彦
邪気でグロテスクなお化けたちであるが、この悲劇への序曲として後にきたるべきものの
コントラストとしての存在である以上は、こうした粗末な下手な子供人形のほうが、ある....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
好者の感激を促し得ない理由であろうと想像される。 この上記の点で著しく対蹠的の
コントラストを形成するものは、日本の剣劇映画における立ち回りの場面である。超自然....
「二科会その他」より 著者:寺田寅彦
の絵がかなり目立っている。これに対する向い側の壁に大分猛烈な絵が並んでいるので、
コントラストの作用で一層この人の絵が静かに上品に見える。しかし自分には何だか完全....
「Liber Studiorum」より 著者:寺田寅彦
にそういう所で仰ぎ見る空の色が以前よりも深く青く見えだしたような気がする。これは
コントラストのせいであろう。これほど著しい色彩の変化が都人の心に何かの影響を及ぼ....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
消えになる種類のユーモアがある。之は今いった社会的リアリティーを想定して、夫との
コントラストを特に動作によって表わしたものに他ならない。こうやって映画は社会的リ....
「色彩映画のシナリオ」より 著者:中井正一
ーは、そのシナリオで作者の意図にしたがって、おちついたソフト・トーンの色、または
コントラストの強いアクセントの色、あるいは、茶またはセピア色のトーン、または、一....
「明治二十四、五年頃の東京文科大学選科」より 著者:西田幾多郎
ル先生が来られた。先生はその頃もう四十を越えておられ、一見哲学者らしく、前任者と
コントラストであった。最初にショーペンハウエルについて何か講義せられたように記憶....
「郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
蕉の句が、一般に観念的と言われる理由で、この点蕪村の印象的、客観的の句風に対して
コントラストを示している。蕪村は決して、子規《しき》一派の解した如き浅薄な写生主....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
理念を高く掲げよ! 両派の主張を比較してみよ。いかに両方が正反対で、著るしい
コントラストをしているかが解るだろう。前者の正とするところは後者の邪であり、後者....
「越後獅子」より 著者:羽志主水
の山井検事が、大兵肥満で、ガッシリした、実行力に富む署長と、相対した時には、佳い
コントラストを為した。 此年若な、見立てのない青年検事を向うに立てた時、署長は....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
家族にノルマルな状態を期待する方が無理でしよう。それにしても令嬢方の様子は著しい
コントラストを形作つているようですが……」
「そうです。女の方々で斯様なショック....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
のびのびしていて明るく、軍艦を見ているような気がしない。 まったくやりきれない
コントラストだ。あたしたちの軍艦ではワルツなんか踊っているけど、お祝いをしている....
「魔都」より 著者:久生十蘭
い男の前に、花が開いたような、美しい健康に満ちた娘が対座しているさえ、余り奇抜な
コントラストなのに、このいかめしい部屋の趣きにたいして、散文詩などはなはだ不釣合....