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「ゴム輪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

ゴム輪の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仮装人物」より 著者:徳田秋声
て、東京駅から汽車に乗ったのは、翌日の午後であった。葉子は最近用いることになったゴム輪の当てものなどもスウト・ケイスのなかへ入れて、二人でデパアトで捜し出した変....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
器屋に奉公をしていたのを思い出した。ニイーナという二ツになる女の子のお守りで黒いゴム輪の腰高な乳母車に、よくその子供を乗っけてはメリケン波止場の方を歩いたものだ....
明るい海浜」より 著者:宮本百合子
の辺の空気が東京と違うのが感じられた。大きな石の一の鳥居、松並木、俥《くるま》のゴム輪が砂まじりの路を心持よく行った。いかにも鎌倉らしい町や海辺の情景が、冬で人....
赤い貨車」より 著者:宮本百合子
「どうしたんだろう、今日は」 往来を映画の広告車が五台つづいて通った。赤塗のゴム輪の上に、赤坊を抱いた女の顔の大写しと、火事場の焔のなかに働いている消防夫の....
伸子」より 著者:宮本百合子
く、松――松――行っても行っても太い松の幹ばかりであった。提灯が瞬《またた》く。ゴム輪が、プッ! プッ! かすかに小砂利を飛ばす。…… がくがく体を揺られなが....
追憶の冬夜」より 著者:寺田寅彦
去来する人力車の音が気になる。凍結した霜夜の街を駆け行く人力車の車輪の音――またゴム輪のはまっていなかった車輪が凍てた夜の土と砂利を噛む音は昭和の今日ではもうめ....
ジャングル頭」より 著者:豊島与志雄
は、グロテスクとも言えるが、見ようによっては、またなかなか趣き深いところもある。ゴム輪は一直線に小揺ぎもなく走っているのに、その上に乗っかった巨大なお尻は、ゆら....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
たという。皆が色めく。暫くして俥のわだちの山にこだまする音が聞えて来る。(当時はゴム輪はなかった)やがて姉の乗った俥の姿があらわれる。皆歓声をあげて馳せつける。....
放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
屋に奉公していたのを思い出した。 ニィーナという二ツになる女の子の守りで、黒いゴム輪の腰高な乳母車に、よく乗っけてメリケン波止場の方を歩いたものだった。 ク....
樹氷」より 著者:三好十郎
て、はあ。どうも、もうちっとマシな馬車があるとよかったんですが――いえ、馬流にもゴム輪の馬車の二台ぐらい有るのです――県庁の斉藤さんからも是非それを仕立てるよう....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
とで、組合で医者を雇い営利主義の医者を排斥したいというのである)電車の車輌を全部ゴム輪にすること、煤煙監視員の設置、煤煙防止の目的をもって、みだりに煤煙を空中に....