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サナトリウム
「サナトリウム〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
サナトリウムの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海」より 著者:梶井基次郎
い日光がさっと船を漁師を染める。見ている自分もほーっと染まる。 「そんな病弱な、
サナトリウム臭い風景なんて、俺は大嫌いなんだ」 「雲とともに変わって行く海の色を....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
開けてみた。 今日のことごかんべんありたし。なお、お願いしたきことあり、今すぐ
サナトリウムの前にて、お待ち下されたし。 と、書いてあった。 このわずかな文....
「光は影を」より 著者:岸田国士
いますが、若しそうなら、そんな病院でグズグズしているより、ちやんと、肚をきめて、
サナトリウムへでもはいつたらどうですか? いろいろな事情で、それができないとする....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
った。それに肺病はそのころはかなり恐れられていた。 その後私は彼女が遠くの或る
サナトリウムに行ったということを聞いた。 彼の女から便りも無かったし、私も手紙....
「小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
った。 私が諏訪へ行くようになったのは、Wという若い友人が胸を病んで、富士見の
サナトリウムに居り、彼をムリにそこへ行くようにさせたのも私であるから、彼を見舞う....
「僕はもう治っている」より 著者:坂口安吾
の土地に病む友へたずさえて行く滋養品の運搬がムリであった。駅からちょっとしかない
サナトリウムまで何べんとなく荷物を地に下して休息しなければ歩行がつゞかず、卒倒し....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
だの違和を感じて、父と母の厳命で、その年の夏から秋へかけては、到頭七里ヶ浜の湘南
サナトリウムで、懊悩しながら療養の日を送ってしまいました。 来月休暇になったら....
「縮図」より 著者:徳田秋声
すですが。」 均平はそれを辞し、病院は明朝にすることにした。主婦の話では、この
サナトリウムはいつも満員で、この山荘にいる人で、部屋の都合のつくのを待っているの....
「苦しく美しき夏」より 著者:原民喜
ずつ医《いや》されてゆく椅子――そのような椅子を彼は夢想するのだった。その純白な
サナトリウムは※気《こうき》に満ちた山の中腹に建っていて、空気は肺に泌《し》み入....
「年譜」より 著者:原田義人
ある。 一九〇五年二十二歳 七、八月に単独でシュレージェンのツックマンテルの
サナトリウムに滞在。ここである年上の人妻と接近したらしい。その体験の反映を断片『....
「美しい村」より 著者:堀辰雄
っきから向うの方に霧のために見えたり隠《かく》れたりしている赤茶けたものは、その
サナトリウムの建物らしかった。 私は再び霧のなかの道を、神々《こうごう》しいよ....
「風立ちぬ」より 著者:堀辰雄
から物色しとるのだがね――」と父はそんな私には構わずに言いつづけた。「節子はFの
サナトリウムなんぞどうか知らんと言うのじゃが、あなたはあそこの院長さんを知ってお....
「木の十字架」より 著者:堀辰雄
気《ひとけ》のないことは同様だが、それでも、いつも二三人は外人の患者のいるらしい
サナトリウムのあたりまで来ると、何となく人気が漂っていて、万物|蕭条《しょうじょ....
「菜穂子」より 著者:堀辰雄
二人の会話が次第に個人的な話柄の上に落ちて行った時だった。 「君の細君は何処かの
サナトリウムにはいっているんだって? その後どうなんだい?」長与は人にものを訊《....
「燃ゆる頬」より 著者:堀辰雄
かっけつ》後、嘗《かつ》て私の父と旅行したことのある大きな湖畔に近い、或る高原の
サナトリウムに入れられた。医者は私を肺結核だと診断した。が、そんなことはどうでも....