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サンタン
「サンタン〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
サンタンの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
っては過去よりも不幸ではない何かが近づいてくるのを感じつづけていたのだ。 全く
サンタンたる景色であった。焼け残った国民学校は階上階下階段まで避難民がごろごろし....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
と思って、一番強烈な薬を用いた。すると水ムシよりも先に指の皮膚が参ってしまって、
サンタンたるものになった。そして薬がしみて用いられなくなったから、しからばという....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
と一世紀のヒラキがあって、泥棒もトンマだろうと心得なければならない。 とにかく
サンタンたる現場だ。鍵をかけた筈の二枚のガラス戸が折り重って倒れている。内側の戸....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
できるね。失われた童貞に対する慰藉料というと、彼氏の場合は妙であるが、その日常の
サンタンたる心事に対する慰藉料といえば、それが金銭に換算できるかどうかはとにかく....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
た安永年間にも、三宅島、八丈、青ガ島が相ついで噴火し、特に青ガ島は再度にわたって
サンタンたるものであったらしい。三原山が活動をはじめた、鳴動した、黒煙をふいた、....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
れは伊豆へ流されています。 こんなバカバカしい裁判があるでしょうか。これは苦心
サンタンの計略だろうと私は思う。天武帝が必死の如くにヒダの神を祭っておがんでいる....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
で生きてみせると称し、延命の灸をすえ、手当をすれば何でも長命できるものだと、苦心
サンタン松虫を三年飼いならしてみせた。 老蝮は蝮なりに妙テコリンな信義があった....
「感想家の生れでるために」より 著者:坂口安吾
。ありもしない感想をあるが如くに語ろうとするから、四十代三十代、分類、系列、苦心
サンタン、妖怪を描きだしてしまうので、無理な背延びをしてはいけない。 小説を書....
「九段」より 著者:坂口安吾
力日本一では影が薄いこと夥しいから、名人の名に対抗しうる権利の象徴が必要だ。苦心
サンタン編みだしたのが、九段決定戦。 昔は九段を名人と云ったものだ。もしくは、....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
そう変ったゞけなのだろう。 昔は物が有り余っていたから、商人は売りこむのに苦心
サンタン、たいがい勘定はアト払いで、手金などタカの知れたものだから、こんなサギは....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
ものではない、それが現実の全部であるという切実な知覚であった。 日本は負けた。
サンタンたる負け景色であるが、私の方は、それどころじゃない。もっと
サンタンたるも....
「戦争論」より 著者:坂口安吾
立場に於ては、大であったと私は思う。 試みに、見たまえ。わが日本に於ては、この
サンタンたる敗北、この焼野原、そして群盗の時代にも拘らず、戦争によって受けた利益....
「小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
人癖である。そして、一種の被害妄想である。ちょッとした思考力の集中持続にすら苦心
サンタンしつゝある自分に対して、営利的なつまらぬ仕事を持ちかけてくる人間への反感....
「握った手」より 著者:坂口安吾
、いまにも卒倒しそうな様子である。革命時の颯爽たる武者ぶりにひきかえ、あまりにも
サンタンたる有様であるから、水木由子は落ちついて上から下まで彼を観察する余裕を得....
「保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
きいて、兵隊がメートル法では日本は負けると確信して云いふらした。彼とメートル法の
サンタンたる戦歴を知る村人ではあったが、彼があまりにも所きらわず日本の敗北を喚き....