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「シルク〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

シルクの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
6 綱を上ったり下りたりしている猿。猿は燕尾服《えんびふく》の尾を垂れた上、シルク・ハットを仰向《あおむ》けにかぶっている。この綱や猿の後ろは深い暗のあるば....
十円札」より 著者:芥川竜之介
―いや、今はそれどころではない。この紀元節《きげんせつ》に新調した十八円五十銭のシルク・ハットさえとうにもう彼の手を離れている。……… 保吉は人のこみ合ったプ....
文章」より 著者:芥川竜之介
しも懸《か》け価《ね》のない秋日和《あきびより》だった。保吉はフロック・コオトにシルク・ハットをかぶり、十二三人の文官教官と葬列のあとについて行った。その中《う....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
のも、きさくらしく立つのもある。顔は皆蒼ざめて、真面目臭い。そして黒い上衣と光るシルクハットとのために、綺麗に髯を剃った、秘密らしい顔が、一寸|廉立った落着を見....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
式台わきの横口にこう、ひょこりと出るなり、モオニングのひょろりとしたのが、とまずシルクハットを取って高慢に叩頭したのは…… 「あら。」 附髯をした料理番。並ん....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
車となりたること、第四は街上の敷石がたいてい敷木にかわりたること、第五は燕尾服、シルクハットの減じたること、第六は髯髭を全く剃去する風の流行せること、または全部....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
働きがにぶく、ぶくぶくふとったしまりのない顔をして、頭にはおそろしく時代がかったシルクハットをちょこんとのっけていた。 かれはさっきから目のまえの草のうえに、....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
中折の半分鍔を焼かれた上に泥塗れになってるのが転がっていた。滅茶々々に圧潰されたシルクハットが一段と悲惨さを添えていた。 其傍の鉋屑の中に、行末は誰が家の令嬢....
赤兵の歌」より 著者:江森盛弥
怒りと、憎悪を、 爆発させろ! 俺達の生きた肉をムシャムシャ喰った奴等。 勲章とシルクハットの反動共。 泥棒の分前を、 気に入りの片隅で楽しんでた奴等、 あの忌....
耳香水」より 著者:大倉燁子
ますと、象牙細工の人形です。小指の先ほどしかない、小さいものですが、よく見ると、シルクハットを被っているシュバリエの立像でした。警察の人も殺人でないと定ったので....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
礼儀作法をあまりに多く取り入れた者がある。こういう人は、こわばったカラや丈の高いシルクハットを得ることが、諸君の文明を得ることと心得違いをしていたのである。かか....
巴里のキャフェ」より 著者:岡本かの子
のように派手なシアーレが展げてある向う側の女物屋のショーウィンドウの前へ横町からシルクハットを冠ったニグロの青年と、絹糸のようにデリケートな巴里の女が腕をからん....
赤い姫と黒い皇子」より 著者:小川未明
に出られますときは、いつも黒い馬車に乗っていられます。そして、いつも皇子は、黒のシルクハットをかぶり、燕尾服を着ておいでになります。そして片目なので、黒の眼鏡を....
白い影」より 著者:小川未明
いくものがありますから、笛を鳴らしたのです。」 「その笛の音は私も聞いた。」と、シルクハットをかぶった高等官はうなずきました。 「歩いている人間は、耳が聞こえな....
夜光虫」より 著者:織田作之助
切った大官の演説内容よりも、演説の最中に突如として吹き起った烈風のために、大官のシルクハットが吹き飛ばされたという描写の方を、読者はしばしば興味をもって読みがち....