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スケッチ
「スケッチ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
スケッチの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
ひろげたので渡瀬はようやく我に返った。おぬいさんの復習したのは、アーヴィングの「
スケッチ・ブック」の中にある、ある甘ったるい失恋の場面を取りあつかったもので、渡....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
一枚一枚むいて行くと、ようやく幾枚もの新聞紙の中から、手あかでよごれ切った手製の
スケッチ帳が三冊、きりきりと棒のように巻き上げられたのが出て来た。私は小気味悪い....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
た。相変らず、ぶよのなくねがのどかにする。山崎は例のごとく昼寝をしている。坊城は
スケッチで、この美わしい景色を汚そうと骨を折っている。園地と小池と板倉は、その間....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
に、引潮のあとの海松に似て、樹林は土地の隅々に残っている。餅屋が構図を飲込んで、
スケッチブックを懐に納めたから、ざっと用済みの処、そちこち日暮だ。……大和田は程....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
の作用の跡は今も明白に残っていて、その顔や体はまるで薄いガラス越しに見た未完成の
スケッチのように醜くなっていた。その顳※の上や、両眼の下や、両頬の窪みには、濃い....
「作画について」より 著者:上村松園
の嫁入り手伝いに出掛けた折り、花こうがい、櫛、かんざし、あげ帽子など、花嫁の姿を
スケッチし、附添いの母の、前にむすぶ帯まで
スケッチしたのが、あとになって役立った....
「三人の師」より 著者:上村松園
京し、紅葉山人などと交友し、俳画で以て名をあげた。本の装幀もうまかった。 私を
スケッチしたものが今でも手許に一枚あるが、松年先生の塾のことを憶うたびに思い出す....
「車中有感」より 著者:上村松園
ものなら、自分も描いてみたいものである」 わたくしは、そう思うと、そっと小さな
スケッチ帳を取り出して、こっそり写生した。 わたくしは、汽車の中で、現代の女性....
「画室談義」より 著者:上村松園
らです。 画室の至るところ、この隅には手控えの手帖が数冊、ここには子供ばかりを
スケッチしたノートがかためて置かれてあり、また階下の画室のどこそこには桜花ばかり....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
楳嶺先生に師事し、先生の歿後、竹内栖鳳先生を師といたしました。 一山の
スケッチ帳 人物画は、江戸絵、錦絵のあった、東京方面にはよいお手本もありました....
「楠公夫人」より 著者:上村松園
里の某家の若妻であった。 面長の色の白い品のいい顔立ちの婦人であった。 私が
スケッチを頼むと、その婦人は私の目的を知らないので、何かてれくさいような容子をし....
「中支遊記」より 著者:上村松園
店にあった宴会で私は上品で可愛い給仕娘に眼をとめた。私は滞在中その娘を借りて来て
スケッチした。一人で来て貰うと何処かかたくなって気詰りらしいので朋輩を一人連れて....
「縮図帖」より 著者:上村松園
うなったのであろう。 絵というものは最後は筆でかかねばならぬもの故、縮図したり
スケッチしたりする場合でも常に筆をつかっていると、筆の線もそれだけうまくなるわけ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
書きつづりたるもの、すなわち本書なり。 余は元来無器用にして、写真術を知らず、
スケッチはできず、余儀なく耳目に触れたる奇異の現象は、言文一致的三十一文字、また....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
僕は本所|界隈のことを
スケッチしろという社命を受け、同じ社のO君と一しょに久振りに本所へ出かけて行った....