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ステップ
「ステップ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ステップの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
汗ばみ、女の体臭を男の体臭が絞り出すような夏の夜の踊りに、体の固い若いダンサーの
ステップもいつか粘るのだった……。 そんなホールの中へ、こおろぎが一匹、何にあ....
「冬の蠅」より 著者:梶井基次郎
い幌《ほろ》のなかの乗客の眼がみな一様に前方を見詰めている事や、泥除け、それから
ステップの上へまで溢れた荷物を麻繩が車体へ縛りつけている恰好や――そんな一種の物....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
のである。わざと何気ない顔を渋くつくろう方などは良い方で、レコードの調子に合せて
ステップを踏みながら席につくなど、ざらである。帽子に手をかけたり、ネクタイにさわ....
「俘囚」より 著者:海野十三
「ねエ、すこし外へ出てみない!」 「うん。――」 あたしたちは、すこし飲みすぎたようだ。
ステップが踉々《よろよろ》と崩《くず》れて、ちっとも鮮《あざや》かに極《きま》ら....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
う――と、円タクの助手は扉をあけてくれた。僕はまず少女に先に乗れと合図し、彼女が
ステップに足をかけたとき、後からお尻を押してやった。そして自分も車内に飛びこんだ....
「振動魔」より 著者:海野十三
が相抱いて踊りはじめると、赭顔の博士は、柿丘夫人呉子さんを援けておこして、鮮かな
ステップを踏むのだった。 秋という声が、どこからともなく聞こえてくると、急に誰....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ュリアは確かにいた。同じような肢体をもったダンシング・チームの中央で一緒に急調な
ステップを踏んでいた。 「幕を締めさせましょうか。そして舞台裏から一時に飛び掛る....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
「止めて下さい!」 ――巡査は直ぐにブレーキを入れた。 大月氏は扉を開けて
ステップの上へ立ち上ったまま中の巡査へ云った。 「この向きで、このままバックして....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
功を経たエクスパートであり、Bは初めて氷にアックスを揮うビギナーである。 Aの
ステップは簡単で浅く、軽いリズムでドンドンと登って行くに反して、Bの不安は彼のス....
「春の槍から帰って」より 著者:板倉勝宣
に登れると思った槍の穂が氷でとじられていることが判ってくる。 試みにアックスで
ステップを切ると金のような氷が飛ぶ。もちろんその上に二寸ぐらいの新雪があった。ど....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
吉がやっと気がついて、その調子に合せようとすると、案外|狡く調子を静め、それから
ステップの合間/\に老成せたさゝやきを新吉の耳に聞かせ始めた。 ――あんた。あた....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
…。 そして、おお、呆然として了った秋田の耳へ、軈て、狂躁なジャズの音が、軽い
ステップの音と一緒に、隣室から聞え始めて来た。 全く、「先生」のこんな態度に出....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
る二葉亭は如何なる人であろうと揣摩せずにはいられなかった。 これより先き、私は
ステップニャツクの『アンダーグラウンド・ラシヤ』を読んで露国の民族性及び思想に興....
「一ノ倉沢正面の登攀」より 著者:小川登喜男
さそうな所を撰んで上の雪渓の傍へ下る。そこの裂罅は五十度あまりの傾斜なので十ほど
ステップを切って雪渓の表面へ出た。 ブロックを使った事に対し、何かしら得をした....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
にでもなるようだったら、監視も要し兼ねないでしょうが、ああいう風に即座にタップの
ステップでも踏んでしまうように興奮して仕舞えば、総てが発散して、却ってあとには残....