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「ズック〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

ズックの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
部屋の中を片づけはじめた。しかしそこには別に片づけるというようなものもなかった。ズック製の旅鞄に、二枚の着換えを入れて、四冊の書物と日記帳とを加えて、手拭の類を....
紅玉」より 著者:泉鏡花
卓子のごとくす。) 後の烏、この時、三羽とも無言にて近づき、手伝う状にて、二脚のズック製、おなじ組立ての床几を卓子の差向いに置く。 初の烏、また、旅行用手提げの....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
にでかけたのであった。 倉庫は一つ一つ錠をはずし、中にはいって危い薬品の上にはズックをかけたり、下の棚にうつしかえたりして、安全なように直していった。ところが....
空襲警報」より 著者:海野十三
ゆくところだった。そのとき旗男は大事な持物を忘れなかった。右肩には防毒面の入ったズックの鞄を、また左肩には乾電池で働く携帯用のラジオ受信機を、しっかり身体につけ....
空中漂流一週間」より 著者:海野十三
破った襯衣で、傷口をおさえて血止めにした。なお彼の眼と手とは動いて、そこにあったズックの布を引裂きにかかったが、ついに及ばず、そのズックの布を砲えたままその場に....
少年探偵長」より 著者:海野十三
も揃っていた。うすい肌色の長靴下をはいている。そして靴は短靴。スポーツ好みの皮とズックでできているあかぬけのした若い婦人向きの靴だった。それだけを一目で見た机博....
地中魔」より 著者:海野十三
い。 「あの自動車隊は立派すぎると思わない? 何を積んでいるのかわからないが、皆ズックの覆いをかけている。どこへ行くんだか検べてみようよ」 「よし、見失わないよ....
月世界探険記」より 著者:海野十三
間のないほど身固めし、腰にはピストルの革袋を、肩から斜めに、大きな鶴嘴を、そしてズックの雑袋の中には三本の酒壜を忍ばせて、上陸第一歩は自分だといわんばかりの顔つ....
気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
に恐るべき装置があるとも知らず、この通りの姿勢を執って、ここにぶら下っているこのズック製の呑口を、こちらの機関車のサイド・タンクの潜口へ向けて充行い、給水タンク....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
と同じであったが、ただ窓が四つもあるので、室の中は比較的明るかった。床には粗目のズックようのものが敷いてあって、その上に不用な調度類が、白い埃を冠って堆高く積ま....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
ならば誰しも看過すかと思われるような、傍線の上に神経をとどめた。 そして、白いズック表紙の艇内日誌を開いたが、その時二人の眼にサッと駭きの色がかすめた。 と....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
かも知れない。 銀造は桜橋まで来ると、曾根崎の方へ折れて闇市の中へまぎれ込み、ズックの靴を買った。財布の金はまだ百円近く残っていた。 大阪駅まで来て、京都ま....
M侯爵と写真師」より 著者:菊池寛
から」 などといいつけると、ややお調子者の杉浦は、もう大得意で大カメラの入ったズックを重そうに担いで、意気揚々と出かけて行ったものです。 T内閣が瓦解した時....
国境」より 著者:黒島伝治
た。 翌朝、おやじが、あたふたと、郭を探しにはいってきた。郭の所有物を調べた。ズックの袋も、破れ靴も、夏の帽子も何一つ残っていなかった。 「くそッ! 畜生! ....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
山国へ来たという感じが、あわただしく頭をそそる。 アルプスおろしの風は、馬車のズックの日除けを吹きまくって、林の中へ通りぬけ、栗の青葉にバサバサ音をさせて、そ....