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セメント
「セメント〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
セメントの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
度は、ファラデーがガラス管の内に塩化窒素を少し入れたのを指で持っていたとき、温い
セメントをその傍に持って来たら、急に眩暈を感じた。ハッと意識がついて見ると、自分....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
に、砂粒《すなつぶ》に似たものを感じ出した。自分はこのごろ齲歯《むしば》につめた
セメントがとれたのではないかと思った。けれども指先に出して見ると、ほんとうの歯の....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
まった事が、二度ばかりある。一度は町内の洗湯《せんとう》で、上り湯を使いながら、
セメントの流しの上へ倒れた。その時は腰を打っただけで、十分とたたない内に気がつい....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
や履の音に忽ち消されて了った。 工事中の新築の階下へ行って見ると、材木や煉瓦や
セメント樽を片寄せて炭火を焚いてる周囲に店員が集って、見舞物の握飯や海苔巻を頬張....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
うな。この家の塀が千金の値あり。 ◯今日は裏の防空壕の上に、庭の敷石(実は小石を
セメントで固めたもの)をずらりと敷き、敵機の機銃弾に対し、いささか強き壁とした。....
「海底都市」より 著者:海野十三
ただけでも身ぶるいがする。あのすごい水圧に対して耐《た》える材料といえば、鉄材と
セメントを使ってするにしても、たいへんな量がなければならない。それにさ、うっかり....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
事件|引継簿《ひきつぎぼ》 或る冬の朝のことであった。 重い鉄材と
セメントのブロックである警視庁の建物は、昨夜来の寒波《かんぱ》のためにすっかり冷....
「火薬船」より 著者:海野十三
」 と、長官アンドレ大佐は、大きく肯いて、 「そこでじゃ。ポーニンが、しきりに
セメントを買いあつめているというが、それは本当か」 「本当ですとも。まだ口約束だ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
」母親が危険とみて口を出した。 「うん、大丈夫だよ」父親は強いて笑顔をつくった。
セメントのように硬い笑顔だった。 「今夜は遅くなったとは思ったんですが、今夜中に....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
して、更に周囲に注意を払った。丘田医師のらしい男履きの下駄が並んでいるところは、
セメントで固めた三和土だった。それは白い色が浮き上るほど、よく乾燥していた。しか....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
人ト別ノ室ニ幽閉セラレタリ。予等ノ所持品ハ没収サレタリ。予ノ室ハ倉庫ノ一部ナリ。
セメント樽多シ。 予ノ室ノ入口ノ扉ニ小サキ窓アリテ金網ヲ張ル。武装セル監視人巡回....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
ょうね」 チャンウーが不思議に思ったのも無理ではない。その花瓶は首のところまで
セメントがつめてあって、叩くとコツコツかたい音がした。チャンウーは、しばらく考え....
「人造人間の秘密」より 著者:海野十三
いる。原型は、普通は、かたい鋼鉄でつくるが、この地下工場では、私の知らない灰色の
セメントのような妙な粉末を熔かして固めるのであった。 「どうだね、セン。君の気に....
「一坪館」より 著者:海野十三
らいだから大丈夫よ。そればかりか、妹のつれあいにすすめられて山を買ってね、それが
セメントの原料になるんで、あたしゃ大もうけをしちまったよ。病人どころじゃないやね....
「○○獣」より 著者:海野十三
「一体、これはどうしたというわけだ」と、駈けつけた人々は叫んだ。 「まさか白蟻が
セメントを喰べやしまいし、ハテどうも合点のゆかぬことだ」 誰も、この東京ビル崩....