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ソナタ
「ソナタ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ソナタの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「器楽的幻覚」より 著者:梶井基次郎
はいつもにない落ちつきと頭の澄明を自覚しながら会場へはいった。そして第一部の長い
ソナタを一小節も聴き落すまいとしながら聴き続けていった。それが終わったとき、私は....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
目にわからなくなったので、共々、私までやめさせられてしまった。ピアノは、やさしい
ソナタ位弾けるようになっていた。別に努力もせず気まぐれに弾いていた。 しかし、....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
。今日はたいへんな嵐で海が荒れています。 今晩この手紙を書く前にムーンライト・
ソナタや、葬送曲をききました。不思議なことに巻頭にあるベートーヴェンの写真が君に....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
るものである。 このようにして連句の運動が進行するありさまはある度までたとえば
ソナタのごとき楽曲の構造に類する。この比較についてはかつて雑誌「渋柿」誌上で細論....
「重兵衛さんの一家」より 著者:寺田寅彦
のである。 これらの話は、柳家小さんの落語のごとく、クライスラーのクロイツェル
ソナタのごとく実に何度となく同じ聴衆の前に繰返されて、そうしてその度ごとに新しく....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
連句は音をもってする代わりに象徴をもって編まれた音楽である。実際連句一巻の形式は
ソナタのごとき音楽形式とかなりまで類似した諸点をもつのである。連句が全体を通じて....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
花のエネルギーを吐き尽くした火球は、もろく力なくポトリと落ちる、そしてこの火花の
ソナタの一曲が終わるのである。あとに残されるものは淡くはかない夏の宵闇である。私....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
のであり、これに次いで来る第三すなわち終局部では再び前の主題が繰り返される。また
ソナタ形式ならば、第一主題、第二主題の次にいわゆる発展部が来てこれら主題に対する....
「恩人」より 著者:豊島与志雄
れで皆笑ってしまった。そしてたえ子は指を鍵盤に置いた。彼女は特にベエトオヴェンの
ソナタ第二部のうちから天真《ナイブテ》なものを選んだ。 彼は始め彼女の側からか....
「現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
滅亡を来たすかも知れないような理想から、トルストイの最も深刻な作「クロイツェル・
ソナタ」は生れた。ただ、余りに目的意識にのみ囚われない限りにおいて、そして本質的....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
または、同じ楽匠の作品でさえあれば、空虚な協奏曲《コンセルト》と感銘深い奏鳴曲《
ソナタ》との間に差別も設けない、なぜなら二つとも同じ捏粉《ねりこ》でできてるから....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
単な律動《リズム》が、装飾的意匠があった。それらの対照的な冗複な構造――奏鳴曲《
ソナタ》や交響曲《シンフォニー》――は、広大精巧な設計や端整さなどの美に当時あま....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
込み入った練習をするだけで、みずから満足していた。そういう練習を彼らは、奏鳴曲《
ソナタ》だの四重奏曲だの交響曲《シンフォニー》だのと名づけていた……。「奏鳴曲《....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、バグダッドの太守の序曲、若きアンリーの狩の序曲、モーツァルトの二、三の奏鳴曲《
ソナタ》など、いつも同じものばかりで、またいつも音が間違っていた。それらの曲は、....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
のです……。そして彼は実に不思議な頭脳の所有者です。私にベートーヴェンの奏鳴曲《
ソナタ》を説明してくれましたが、その中に子供らしい奇体な物語があるのだと見ていま....