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テンポ
「テンポ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
テンポの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
争って、南方には見られぬ暗い、燐《りん》のような、さびしい光を残していた。一種の
テンポを取って高くなり低くなりする黒い波濤《はとう》のかなたには、さらに黒ずんだ....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
HEATRE」 のピンクの電飾文字のまわりを囲って、ぐるぐる廻る橙色の点滅燈の
テンポが、にわかにいきいきとして、劇場から溢れでる米兵の足も速かったが、木崎の足....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
。……五十一、五十二、……) 豹一の顔はだんだん凄く蒼白んで来た。ルンバの早い
テンポに合わせて、数え方も早くなって行った。 (百数えて、これが実行出来なければ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
、霊を得たように、漁夫の乗り込んだ舟が波を切り波を切り、だんだんと早くなる一定の
テンポを取って沖に乗り出して行くさまは、力強い楽手の手で思い存分大胆にかなでられ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
と枢軸の二大陣営に対立しようとしている。準決勝の時期がそろそろ終ろうとするこの急
テンポを、どう見るか。 また統制主義を人類文化の最高方式の如く思う人も少なくな....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
のだが、さて書いて行くと、自然、イージーゴーイングになって、筋の発展性に乏しく、
テンポに精彩が欠けてくるため、失敗となったことが少くなかった。今度のものはそれを....
「河明り」より 著者:岡本かの子
思えるほど濃く凝って、しかもきらきら陽光を漉き込んでいる。片帆の力を借りながら、
テンポの正規的な汽鑵の音を響かせて、木下の乗る三千|噸の船はこの何とも知れない広....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
一本勧めて、それからライターで二人の煙草に火をつける。二人の口から吐く最初の煙の
テンポが同じだったので、それがおかしかった。二人は笑った。寛ろげられた気持ちに乗....
「雨」より 著者:織田作之助
に打楽器とマラカスがチャイナルンバを奏しだしたのが腹立たしく耳にはいった。軽薄な
テンポに、××楼の広間でイヴニングを着て客と踊っていた妓の肢態を想いだした。カッ....
「大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
嘆すべきことが、応接にいとまのないくらい、目まぐるしく表情を変えて、あわただしい
テンポで私たちを襲っている昨日今日、いちいち莫迦正直に驚いていた日には、明日の神....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
アンで一休み。そこで喰べた胡桃の飴菓子。 だが日本の通行人は急ぐように見えても
テンポは遅い。それでいて激しい感じは一層する。二つずつ向って来る黒い瞳。奥底の知....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
の先が少しずつ伸びて来る。 「三つ!」 「…………」 「四つ! 五つ! 六つ!」
テンポが早くなった。 「七つ! 八つ!」 「…………」 「九つ!」 「九つ!」 ....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
しかし、作者が敢てこの人物の心の動きや表情の翳を捉えるのは、そしてまた、物語の
テンポを遅らせてまで、その描写や説明に多くの筆を使うのは実は現代の青年の中には、....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
わざわして一向に落着きのない、しんみりと芝居を味わおうという心持のない、むやみに
テンポの早い芝居をよろこんで、幕が下りたら廊下へかけ出して、早く煙草を喫おうとか....
「雨」より 著者:織田作之助
て途端に流れる打楽器とマラカスのチャイナルンバ。女性の肢態の動きを想わせる軽薄な
テンポに咄嗟に、巴里楼の広間で白いイヴニングをきて客と踊っていた妓の顔を想い出し....