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トイレ
「トイレ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
トイレの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「振動魔」より 著者:海野十三
発し得ないで、反対の側の片隅を、無言の裡に指した。そこには黒い横長の木札の上に、
トイレットという文字が白エナメルで書きしるされてあった。 雪子夫人は、吸いつけ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
い取り乱したと、前川は後悔しながら、さりげなく、彼としては幾分|傲然たる態度で、
トイレットから出て来た。 「ねえ。あの人に来てもらいたいわ。手紙を出しても、いい....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
子にも、ふだんと変りは見えなかった。 午後になると、どの部屋も暑くなる。青木は
トイレットへ顔を洗いに行く。いつもの彼の習慣だ。ゆっくり顔を洗って、ふと隣りをみ....
「姥捨」より 著者:太宰治
味をなさないのかも知れない。」窓は答える筈はなかった。 嘉七は立って、よろよろ
トイレットのほうへ歩いていった。
トイレットへはいって、扉をきちんとしめてから、ち....
「風の便り」より 著者:太宰治
れました。私は旅馴れていないせいか、財布が気になってなりません。部屋を出る時は、
トイレットへ行く時でも、お風呂へ行く時でも、散歩に出る時でも、かならず懐へ入れて....
「狂言の神」より 著者:太宰治
い。額がくるめく。涙が煮える。けれども私は、辛抱した。お金がないのである。けさ、
トイレットにて、真剣にしらべてみたら、十円紙幣が二枚に五円紙幣が一枚、それから小....
「渡り鳥」より 著者:太宰治
るからって、威張っていやがる。残金三千円とにらんだが、違うか? 待てよ、こいつ、
トイレットで、こっそり残金を調べやがったな。そうでなければ、半分以上残ってるなん....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
「すみません。随分お待ちになったでしょう。」 彼女は電話のかかった時、あいにく
トイレットにいたのだと弁解したのだったが、そこへがら空きの電車が入って来たので、....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
「アッハハハハハいまのはじょうだんだよ。」
私は梯子段を飛びおりると、薄暗い
トイレットの中でジャアジャア水を出した。頬を強く押した男の唇が、まだ固くくっつい....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
じめから古陶磁の展覧会をやっているが、それを見るためではない。化粧箱を預けたり、
トイレットを借りたり、ティ・ルームでお茶を飲んだり……あっさりいえば、職場の休憩....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
フレークスのようなもの。ビスケット。包ごとに煙草が九本、マッチとチュウインガム、
トイレット・ペエパア……そんなものが詰合せになっている。 「これはアメリカの兵食....
「肌色の月」より 著者:久生十蘭
乗客にまじっていったホームへ降り、それからすぐ前の車輌に移って、つづきの二等車の
トイレットに入った。 ドレスを脱いでお着換えをする。よれよれの紺のスラックスに....
「魔都」より 著者:久生十蘭
た。……
さて次ぎの日、といったって昨夜の話だが、「巴里」の忘年会の席で、俺が
トイレットへ立って行くと、王様が椰子の植木鉢の側で俺を待っていて、重大な頼み事が....
「道標」より 著者:宮本百合子
のゲームのときにしかつかわないってお説でした。ジェントルマン(紳士)という字は、
トイレット用にすぎないってイギリス人自身が云っているんですって――」
「ふーん」....
「胎内」より 著者:三好十郎
っかわに二三本入ってるだろう。 村子 (そのバッグを開けながら)いえ、ちょっと、
トイレット。……(ロウソクをかきさがしながら)んだけど、ふ、ふ、弱ったな、どこい....