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ト書
「ト書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ト書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三人の双生児」より 著者:海野十三
いえば、たしかに妾の誕生日なのである。これは妾の手文庫の中にあった妾の緒にチャン
ト書いてあったから間違いはないと思う。すると二月十九日には妾の外にもう二人のはら....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
遊戯的な散策とも云える価値はあるまい。ところで君が、もし鐘鳴器室の場面に、精確な
ト書がつけられないようだったら、もうこれ以上|講演はやめにしてもらおう」
「とこ....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
イノデアル。我輩ハ英語ノ会話ニ於イテ、ホトンド不具者デアルガ、カロウジテ、読ム事
ト書ク事ガ出来ル。モシ、君ガ充分ノ親切心ト忍耐力トヲ保有シテイルナラバ、君ノ今日....
「斗南先生」より 著者:中島敦
ミヤカニ倒※《とうし》シテ之ヲ迎フ。既ニシテ門ニ入リ名刺ヲ出ダス。日本男子中島端
ト書ス。懐中ノ楮墨《ちょぼく》ヲ探リテ予ト筆談ス。東亜ノ情勢ヲ指陳《しちん》シテ....
「火事教育」より 著者:寺田寅彦
童教育のために編纂された各種の安直な絵本であった。残念ながらわが国の書店やデパー
ト書籍部に並んでいるあの職人仕立ての児童用絵本などとは到底比較にも何もならないほ....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
充ちているのである。日本に限らず現在の社会に於けるこの切実で愚劣な大きな悲喜劇の
ト書きを暴露するのは、吾々にとって、極めてツマラない併し又極めて重大な義務にもな....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
ィエフ、カメネフの陰謀事件や、新憲法が哲学戦線に如何に反映しているかは、ソヴェー
ト書籍の入手困難な現在では筆者には殆んど全く不明である。しかし根本方針はすでに三....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たちかへ》レリ、サレドモ郷里ノ人モシクハ券約ノ証文ニ其名ヲ連署スル時ハミナ前仙某
ト書キタリケリ……」 右の一節と比較してみても明らかなる如く、道庵は「深山ニ....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。それに、石垣にあるような大石が、天人像近くに一つ転がっている所は、恰度南北物の
ト書とでも云った所で、それが何んとも云われぬ鬼気なのであった。 法水の顔を見る....
「舞台のイメージ」より 著者:豊島与志雄
初めから戯曲ではない。対話か小説か……そんな風なものである。舞台面の説明をしたり
ト書を加えたりすることは、五号活字の間に六号活字を組み交えるようなことは、凡て不....
「戯曲を書く私の心持」より 著者:豊島与志雄
の愉快さはどこから来るかと云えば、一つは小説のように地の文がないと云うこと、勿論
ト書があるけれどもあれはほんの人物の動作とか、言葉の調子とか特種な表情とか、そう....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
や子供や召し使いのそれはエペソ書に、信者のそれはヘブライ書に、処女のそれはコリン
ト書に。司教はすべてそれらの教えからよく調和したる一の全体を作らんと努力し、そし....
「読書遍歴」より 著者:三木清
論を読まねばならぬといって、マントルピースの上に置いてあったコーヘンの三つのカン
ト書を見せて下さった。そのような時代であったので、戦争のためにドイツの本が来なく....
「恐怖の季節」より 著者:三好十郎
くらかの関係のある事で、フンマンにたえなかった事がこの間あったので、それをチョッ
ト書きましょう。 田村泰次郎さんが、たしか「文芸往来」だかに「尾崎一雄」など清....