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パスポート
「パスポート〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
パスポートの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
船賃はたしか二円で、食事なしである。広大号を選んだ理由は、中国船に乗れば苦力同様
パスポートがいらないし、第一船賃がうんと安かったからだ。 乗ってみると、なるほ....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
件を、どこからか手に入れていた。云いつけると、外交部から交付される筈の、外国への
パスポートまで、ちゃんと、印まで間違いのない印を捺して拵えてきた。だから、日本で....
「桜の園」より 著者:神西清
て、革ひもの留金をなおしにかかる。 シャルロッタ (思案のていで)わたし、正式の
パスポートがないもので、自分が幾つなのか知らないの。それでいつも若いような気がし....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
をあけるのも、工場と富とを投げ出してギャングの前にたたきつけるのもみんな自由への
パスポートである。 自由はどこにある。それは川面の漣波に、蘆荻のそよぎに、昼顔....
「上海の渋面」より 著者:豊島与志雄
これを新たに明朗に建て直すべきであろうか。 上海は、租界なるものがあるために、
パスポートなくして上陸出来る恐らくは世界で唯一の海港であろう。このために思わぬ功....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
駅の検閲にしては、いささか、物々しすぎるおもむきだった。 竜太郎は、旅行免状《
パスポート》を差し出した。コレンコ風の、短い口髭を生やした、年嵩の士官は、旅行免....
「ソヴェトの芝居」より 著者:宮本百合子
んだ。そう訊いてくれたから、はい、といって出したよ。大日本の外国旅券を! ――
パスポートを持って歩いてたのか? ――ああ。そしたら、その女は笑ったよ、そして....
「道標」より 著者:宮本百合子
て来るのを待っている老人から歩き去りながら、泰造が伸子にきいた。
「伸子、きのう
パスポート(旅券)の査証をし直しに行ったのかい?」
「ええ。どうして?」
「ホテ....
「恐怖の季節」より 著者:三好十郎
だ。それを考えて見た。 第一に、作品に描いてある諸事実が事実としてプロバブルな
パスポートを持っているだけにとどまっていて、それらの客観的な実在についてまったく....